研究課題/領域番号 |
24500873
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
佐藤 敏郎 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (80567222)
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研究分担者 |
出村 慎一 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20155485)
山次 俊介 福井大学, 医学部, 准教授 (40311021)
山田 孝禎 福井大学, 教育地域科学部, 講師 (60413770)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 転倒予防 / 老化 / 動的バランス能力 / 姿勢 |
研究実績の概要 |
地域高齢者の転倒の一次予防事業は、多くの自治体で取り組まれている。転倒は、個人の姿勢制御限界を突破させる外乱の発生によって生じる。そのような外乱の発生を回避する日常生活行動や心構えを教育することも大切であるが、加齢に伴い体力が低下しやすい状況で、姿勢制御能力の改善や、転倒を回避できる身体能力の獲得、つまり、転倒関連体力の向上に取り組むことが重要といえる。しかし、重要なターゲットである易転倒性高齢者は、運動プログラムに対して消極的であるし、転倒リスク状況を確認する体力テストも回避しがちである。本研究では、そのような高齢者であっても簡便に取り組み、転倒リスクを具体的に評価できる転倒スクリーニング方法を開発することを目的とした。 本年度は、まず昨年度までの成果を踏まえ、計測機器の改良に取り組んだ。計測部は、試作器と同様に静止姿勢撮影(側面)部と足圧中心動揺計測から構成され、二つの計測データを統合するソフトウェアの開発と新たな足圧中心動揺計測として、前後左右の荷重移動限界範囲(Limits of Stability)に加えて、対象者前方のモニターに表示される指標を足圧中心の移動により追従するバランステストを作成した。 対象者の一年後の転倒状況を調査し、転倒経験群と非転倒経験群別で姿勢、Limits of stability、及び追従テストの結果を調査した。両群で円背と判定された割合に有意差は認められなかった。一方で、Limits of stability及び追従テストは、有意な群間差が認められ、転倒経験群は、Limits of stabilityが前後左右とも小さく、追従テストは左右方向の指標追従スコアが低いことが明らかにされた。 以上より、本研究で開発した計測器は転倒スクリーニング検査に有用であることが示唆された。
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