研究課題/領域番号 |
24500875
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研究機関 | 名古屋学芸大学 |
研究代表者 |
岡田 希和子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 准教授 (00351213)
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キーワード | 老化 / 栄養 / サリコペニア / MNA / 咀嚼力 / 口腔機能 |
研究概要 |
本研究の目的は、地方自治体における介護予防特定高齢者施策の参加者、および慢性疾患を有する通院高齢者を対象とし、①栄養状態とサルコペニア、虚弱(frailty)との関連、②MNA(mini-nutritional assessment)のカテゴリーとサルコペニア、虚弱(frailty)との関連について明らかにする。また、③口腔内におけるサルコペニアの検討をし、④栄養状態および虚弱(frailty)と口腔内のサルコペニアの関連について明らかにすることである。 1年目に引き続き、【栄養状態とサルコペニア、虚弱(frailty)との関連】身体計測を実施し、身長、体重より算出されるBMIおよび上腕周囲長、上腕皮下脂肪厚、下腿周囲長、腹囲などの値とBIA法による筋肉量、脂肪量との関連を偏相関分析などの手法を用いて検討。また、筋力指標(握力、起立テスト)、身体機能(bADL、IADL、歩行速度、up and go test)との関連、食事調査(FFQg)の実施により得られる栄養摂取状況との関連、活力評価、身体活動量(Baecke 日常身体活動度票)について検討。 【MNA(mini-nutritional assessment)のカテゴリーとサルコペニア、虚弱(frailty)との関連】MNA-SFを実施し、スコアをMNA分類により、群分けをし、BAI法による筋肉量、脂肪量との関連、筋力指標、身体機能について、分類した群間に統計学的な差があるのかを検討。 【口腔内におけるサルコペニアの検討】咀嚼能力(咀嚼能力判定ガム)、咬合力(オクルーザー)の評価を実施し、口腔内状況との関連および背景との関連を検討。 【栄養状態および虚弱(frailty)と口腔内サルコペニアの関連】身体計測、身体機能、筋力指標、栄養評価、活力評価、身体活動量および口腔機能との関連を検討。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ研究計画通り、地方自治体における介護予防特定高齢者施策の参加者、および慢性疾患を有する通院高齢者を対象とし、同意を得られた者に調査を実施している。調査内容は、身体計測、筋力評価、身体機能評価、食事調査、活力評価、身体活動量、栄養評価、口腔機能についてデータを取得しているが、血液検査データについては、通院患者の対象者は一部取得が可能であっても、地域の介護予防特定高齢者については、データの取得が困難である。また、縦断調査のデータ取得についても、リクルートが難しい状況である。 【栄養状態とサルコペニア、虚弱(frailty)との関連】サルコペニア、虚弱(frailty)と関連のある因子を検討している。 【MNA(mini-nutritional assessment)のカテゴリーとサルコペニア、虚弱(frailty)との関連】MNAのカテゴリー分類を模索し、骨格筋指数(SMI)を指標とし、サルコペニアとの関連を検討している。 【口腔内におけるサルコペニアの検討】咀嚼能力(咀嚼力判定ガム)、咬合力(オクルーザー)の評価と口腔状況より、背景との関連を検討している。 【栄養状態および虚弱(frailty)と口腔内サルコペニアの関連】取得できたデータをデータベース化しつつ、解析検討しているが、どのようなスパイラルでサルコペニア状態に陥っていくのか、現段階では、明らかなことはいえない。
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今後の研究の推進方策 |
横断研究の継続によるデータの確保、地域高齢者の新たなリクルートを検討している。 取得データの入力および整理を行い、①栄養状態とサルコペニア、虚弱(frailty)との関連、②MNA(mini-nutritional assessment)のカテゴリーとサルコペニア、虚弱(frailty)との関連、③口腔内におけるサルコペニアの検討、④栄養状態および虚弱(frailty)と口腔内サルコペニアの関連、について検討し、サルコペニアのカットオフポイントを検討する。あわせて、機能評価、筋力指標などを目的変数とし、介護予防に有効な因子の検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
ヨーロッパへの国際学会参加に関わる渡航費用を含む全経費を、所属機関が全額負担のため。 調査データ取得、データ入力整理補助員を1名追加雇用(所属機関助手の勤務時間外)。 解析ソフトの購入。
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