研究課題
これまでの2年間で、傾斜トンネル自由走行実験はほぼ終了し、トンネルの傾斜角の大きさに従って、即ち各マウスに負荷された運動エネルギー量に従って、海馬領域の細胞新生数が増加することが判明した。本年度さらに例数を増やして精度を高めるとともに、2重組織化学法を新たにおこない、カウントした新生細胞が本当にニューロンになることをも確認した。それらの結果を論文にまとめ現在投稿中である。ランニングローター実験は、より強度な自由走行実験モデルであったが、マウスの個性によって、走行時間が異なる。大雑把な観察では、走行時間が多くなればなるほど海馬領域の細胞新生数が増加する所見が得られた。これを「定量的」に解析するために、実際の走行時間ごとの「群」作成を試みたが、きわめて多数の例数を集める必要があり、いまだ実験途中である。今後も継続して研究をおこないたい。さらにストレス負荷と運動負荷をかける強制水浴実験では、得られたデータは不揃いであった。水を怖がらず浮かんでいるだけのもの、壁に身を寄せてストレスを避けるもの、必死にもがき泳ぐものなど大きな個体差があり、またこの解析にはストレスの過重と運動負荷という相反する2つの因子が絡むため、われわれの実験目的では解析が不可能と判断した。
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