メタボリックシンドロームによる身体活動低下要因をマクロファージ分化によるものと仮説し、本研究では、in vitroモデルを用いて、筋損傷局所に侵入するマクロファージの走化性におよぼす分化の影響を調べた。その結果、メタボリックシンドロームで増加するM1マクロファージの細胞走化性は消失し、逆にM2マクロファージでは高い走化性を示した。M1マクロファージのケモカインレセプター発現は弱く、接着性とともにF-アクチン発現が高かった。以上の結果から、メタボリックシンドロームによるマクロファージのM1型への分化は、損傷を受けた筋細胞に向かう走化性の低下を伴っている可能性が示唆された。
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