研究課題/領域番号 |
24500881
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
佐々木 徹 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30158927)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 酸化ストレス / 還元ストレス / 老化 / 活性酸素 / レドックス |
研究概要 |
活性酸素は一般の物質のように測定することは困難である。我々は、活性酸素生成の時間的・空間的な動的変化を組織レベルで画像化、解析する計測法を開発してきた。本年度は、組織の酸素濃度、レドックスを活性酸素生成の決定因子と考え、活性酸素生成の計測法とマイクロセンサーを用いた酸素濃度、レドックスの計測法を融合した装置を試作した。この装置を組み込んだ活性酸素イメージングを実施するとともに、組織内部の酸素濃度、レッドックス計測の動作の確認を行った。さらに、本装置の予備的評価として、ラット脳スライスの低酸素-再酸素過程における活性酸素の生成と組織酸素濃度、レドックスの関係を時系列で解析した。その結果、活性酸素の生成の亢進する前に、組織の低酸素の低下と還元シフトが認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回導入した酸素センサー、レドックスセンサーは特殊なもので、デンマークのメーカーにおける受注生産である。微細な構造ゆえ、実験中にセンサーの破損が何度か生じた。その都度、デンマークに製作を依頼したため、実験が中断することを余儀なくされた。現在も故障中である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、酸素濃度、レドックスの計測法センサーの取り扱いと計測が不安定であるため、先ずは安定した計測法を確立する。その上で、活性酸素イメージングと融合した装置を完成させる。次に活性酸素の生成のex vivoモデル実験として、低酸素の解除期に発生する活性酸素と組織の酸素濃度、レドックスの関係を明らかにしたい。さらに、in vivoの実験において、具体的には、加齢を対象に、組織中の還元物質と終末酸化産物定量及び終末還元産物の探索を行い、活性酸素の生成の亢進が認められる場合、その前段に組織の還元的状態が存在するという「還元ストレス」理論の実証研究を実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
活性酸素生成の計測法と酸素濃度、レドックスの計測法を融合した装置を完成させる。その上で、ラット脳スライスを対象に、供給する酸素を窒素に切換えて生じさせた低酸素「供給性低酸素」の再酸素過程、脳スライスに高カリウム処理を施すことによって生じる低酸素「需要性低酸素」の再酸素過程において、活性酸素と組織の酸素濃度、レドックスの解析を行う。
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