本研究は、これまで開発したリアルタイムバイオラジオグラフィ法とマイクロセンサによる酸素濃度計測法を融合させた方法論を構築した。この方法論を用いて低酸素-再酸素過程の活性酸素と組織酸素濃度の変化を、脳組織スライスを用いて検討した。その結果、活性酸素の生成は供給する酸素の低下(供給性低酸素)に加え、活動亢進に伴う低酸素(需要性低酸素)の解除時にも活性酸素の生成が亢進することを見出した。マイクロセンサで計測した組織の酸素濃度は、供給性低酸素、需要性低酸素のいずれも低下していた。低酸素時には組織は還元になることが知られており、レドックスの過還元が再酸素時の活性酸素の生成亢進に関与することが示唆された。
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