研究課題/領域番号 |
24500889
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
冨田 久枝 千葉大学, 教育学部, 教授 (90352658)
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研究分担者 |
田爪 宏二 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 教授 (20310865)
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50144621)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 保育 / 地域 / コアステーション / 子育て / 保育実践 / 実践モデル / 国際比較 / 継承と創造 |
研究概要 |
(1)平成24年度の研究実績の具体的内容 本年度は研究開始年度であるため、文献や情報の収集を積極的に行った。特に地域の 文化や経済、社会情勢といった地域の特性を明らかにするトピックについても情報の 収集を行った。さらに、先駆事例を集め、その共通性や違いを検討することにより、新しい保育実践 モデルを構築するため、実態調査を行った。具体的には日本の動向を明らかにするた めに北海道、関東、神戸、鹿児島の特徴的な実践園を調査した。海外の動向について はカナダのオンタリオウエスタン大学と連携を図り、関連乳幼児教育施設への視察訪 問や大学関係者とのカンファレンスも行った。カンファレンスでは日本人の人間関係 構築のスタイルとカナダのスタイルの違いが明らかになり、地域コアステーションは 国の文化によってもその姿や意義が違うことが分かった。加えて、多くの視点からの検討が必要と考え、保育学会においては研究分担者や連携 者と協力して、自主シンポジウムを開催し、保育現場に関連のある保育者養成校の教 員や保育現場の教員などとコアステーションの必要性について議論を行った。モデル構築のためのデザインや用語の概念整理、文献のシェア等を目的に年間7回の 会議を開き、研究分担者や連携者との意思疎通を図った。 (2)本研究の重要性と意義 本研究は現代の子育ての現状から、子育て支援という政治主導の支援では無く、地域の子どもを地域で育てる仕組みの構築を目指すもので、地域の特性を活かしたネットーワーキングを保育現場が中心となって推進するという点では、3.11以来高まった地域への愛着などからみても期待される研究だと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は始動の年であったが、会議も7回開催、実態調査も遠方だけで日本国内は3回、海外が1回と積極的に実践事例を収集することができ、研究計画で示した概ねが達成されたと評価できる。しかし、研究分担者や連携者が地域が離れているため、保育学会などの大きな大会を利用して意見交換を行ったが十分ではなかった点も有るので、来年度はさらに連携を強化して研究の推進に当たりたい。 また、文献研究では文献や貴重な情報は収集できたが分析が未だ出来ていないので、来年度は収集した文献や情報を整理して、モデル構築に必要な概念の整理、キーワードの選定など研究の精緻化を図る必要があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
(1)保育現場の実態調査としては研究計画でも示しているように、保育現場はその地域によってその地域の文化や経済 など様々な状況の影響を受けながら、保育実践が行われるという点から、モデル構築 には多くの事例を必要とする。そのために、来年度も日本全国から地域の核となって 保育実践を推進している園を5~10園程度視察による実態調査を行う予定である。(2)国内の研究動向のまとめとしては本研究に関連のある国内の研究論文を収集して、先行研究のまとめを行う。(3)海外の研究動向のまとめとしては本研究に関連のある海外の研究論文を収集して、先行研究のまとめを行う。(4)モデル試案の作成は研究計画書で示した保育実践モデルの試案を再検討し、さらに精緻化する。 (5)アクションリサーチの開始については今後、研究協力園を決めて、モデルに関連のある保育実践を実施してみて、分析を行い、その結果を用いて新しい分析視点を定め、実践を行うサイクルの構築をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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