研究課題/領域番号 |
24500889
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
冨田 久枝 千葉大学, 教育学部, 教授 (90352658)
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研究分担者 |
田爪 宏二 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (20310865)
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50144621)
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キーワード | 保育 / 地域 / コアステーション / 保育カリキュラム / 国際比較 / ESD / 文化的継承 / 人との共生・創造 |
研究概要 |
(1)平成25年度の研究実績の具体的内容 本年度は研究2年目という中間の時期を迎え、昨年収集した情報や文献の整理を行うと共に新しい情報や文献の検討も行った。先駆事例の収集においては、昨年度がその対象を国内に求めたのに比して、今年度は共同研究者と共にニュージーランドにおける地域をその保育の中心としている「ティファリキ」というナショナルカリキュラムの実践の視察を実施し、日本との比較研究を行い報告書の作成も行った。ニュージーランドへの視察で得た収穫は、その国の文化や言葉、環境を次の世代に継承をしていく教育が重要であるといったESDの理念を活かした教育実践が行われている実践の実態を具体的に理解できたことと、今後の日本におけるESD(持続開発可能な教育)の実践と地域における保育現場の重要性についてさらに認識を深めることができた。この視察から、地域のコアステーションとしての保育現場のモデルの外殻が出来あがった。 また、共同研究者を中心に研究協力者との会議、保育学会、乳幼児教育学会等の保育に関連する学会でのシンポジウムの開催など積極的に議論と研究の場を持った。 (2)平成25年度の研究実績に関する評価 本年度は国内の視察等を控え、ニュージーランドの視察から、これからの日本の保育の新しい方向性を確認することが出来たことが大きな進展であった。来年度への大きな課題としてはまとめの年を迎えるにあたり、日本における事例の整理と国外の実績との比較検討からモデルの構築を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は中間地点に当たる年で有ったが、学会でのシンポジウムも2回開催することが出来て、多くの有益な意見交換ができた。また、共同研究者が同行して同じ目線で日本と同じような教育条件を有するニュージーランドにおける幼保一体化の現状と地域を活かした保育実践の先駆事例が収集できたことは、日本における新しい方向性を探るための大きな収穫を得ることができた。以上の点から平成25年度の研究は概ね順調に達成されたと判断した。 また、文献研究では先駆事例やモデル構築に関するものを多く収集したが、これまでの日本における歴史的なアプローチについてもこれからを視座するための布石として重要と考え今後はさらに奥深く検討しようと考えている
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今後の研究の推進方策 |
<今後の推進方策> (1)基礎研究:最終年度を迎えるに当たり、先駆事例の検討や視察の最終段階のまとめや整理を行う。さらに海外からの情報(カナダ、ニュージーランドなど)の整理を行い、日本の事例との比較や共通の概念等を抽出してモデル作成を試みる (2)モデル構築:研究計画書でも示したように、保育現場の機能・価値を表すキーワードを検索してモデル図の試案を作成する。アクションリサーチに関しては25年度に十分行えなかったので、今年度は規模を縮小して実践的な内容を確認できるアクションリサーチを実施して研究のまとめに活かしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた文献の購入が年度内に決済できなかったことと、予定していた国内の視察および学会への参加が千葉大学内の行事と重なり、実施出来なかったためである。 平成26年度は国際会議への出席や国内外の先駆事例の情報収集も未だ終了していないのでその、費用に充てる予定である。また、研究の最終年度であるので、研究成果公表のために報告書を作成する予定なので、その費用にも充てようと考えている。
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