研究課題/領域番号 |
24500890
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
久保 桂子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80234475)
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キーワード | 男性の育児参加 / 職場環境 |
研究概要 |
本年度は、研究課題に基づいて、2013年11月に千葉県西部の公立保育所21保育所の保育園児の保護者を対象に質問紙調査を行った。調査票は家族票・母親票・父親票を組にして2119世帯に配布し、回収は1118世帯分であった(回収率52.8%、有効票は1099世帯、51.9%)。平均年齢は、父親37.5歳、母親35.7歳、平均子ども数1.7人である。現在分析途中であるが、結果の一部は日本家政学会大会において発表予定である。先行研究で共働き世帯において、夫の職場環境が、夫の家事・育児参加や、仕事が家庭生活への参加の妨げになっているという夫の意識に影響を及ぼすことは明らかにされている。本研究はさらに、それが妻の仕事と家庭生活の葛藤とも関連するかを明らかにする。さらに妻の葛藤と、妻の夫に対する家庭生活への参加要求行為(クレーム行為)と関連をするかについても検討した。結果は、夫の職場環境が「残業を当然とする雰囲気・残業をしないと終わらない仕事量」の得点が高い場合、妻の仕事から家庭生活への葛藤の得点も高くなる傾向が認められる。一方、家庭から仕事への葛藤との関連は認められない。また、育児など家族の都合を相談できない雰囲気という職場環境は、妻の葛藤と関連がみられない。また、夫の職場環境の残業関係の得点が高い場合、妻の夫へのクレームの得点も高い。しかし、実際の夫の労働時間の長さとクレーム行為との関連は弱い。さらに、妻の仕事から家庭生活への葛藤の得点が高い場合、妻の夫へのクレーム行為の得点も高いことが示された。なお、夫の職場環境と夫の育児参加については、2009年度に行った調査結果をもとに分析を行い、千葉大学教育学部研究紀要第62巻(2014年3月)にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、研究課題に基づいて、2013年11月に千葉県西部の公立保育所21保育所の保育園児の保護者を対象に質問紙調査を行うことができた。予想よりも多い、有効票は1099世帯の調査票が回収でき、有効な分析結果を得ることができている。結果の一部は2014年5月の日本家政学会大会において発表予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は、5月に調査結果の一部を日本家政学会大会で報告するとともに、さらに分析を進める。本年度は研究の最終年であるので、調査全体の分析結果をまとめるとともに、報告書を作成し、研究論文を日本家政学会誌に投稿する予定である。
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