在宅療養・介護における高齢者のQOLを支える在宅ケアモデルの構築に向けて,平成27年度は,平成26年度に実施した質問紙調査票の結果に基づき,独居高齢者のQOLと健康状態や生活様相との関連を分析した。 要支援・要介護状態にある独居高齢者は,半数以上が生きる希望をもち,約4割に抑うつ傾向が認められた。また,希望は人生満足感,今の生活満足感,社会的役割と関連していることが示された。ソーシャルサポートでは,サポートを受けることよりも提供しているほうが他者の役に立っているという社会的役割意識をもちやすく,人生経験を次世代に語ることなど自分の役割や目的をもつことが生きる希望を高め,QOLを支持する可能性があることが示唆された。この分析結果の一部は国内の学術集会で報告した。 さらに,平成24年度から実施してきた在宅で療養・介護する高齢者夫婦と独居高齢者に対する面接調査および質問紙調査により得られたデータの分析を重ね,在宅療養・介護における高齢者のQOLを支える在宅ケアについて検討した。
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