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2014 年度 実績報告書

しつけと虐待に関する意識と実態―日韓の教員養成課程の大学生の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 24500898
研究機関岡山大学

研究代表者

李 キョンウォン  岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (90263425)

研究分担者 森田 美佐  高知大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20403868)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード児童虐待 / しつけ認識 / 日韓比較
研究実績の概要

本研究の目的は,日本と韓国の教員養成課程の大学生におけるしつけと虐待に関する意識を明らかにすることである。将来教員になることを目指す教員養成課程の大学生におけるしつけと虐待についての認識、子ども虐待に関する知識の有無や程度を明らかにするとともに、生育環境と認識との関連をみるために,2013年9月から2014年1月の間に日本と韓国の教員養成課程の大学生を対象に調査を行った。分析内容は,「しつけと虐待の経験」「しつけと虐待の認識」「児童虐待関連の知識,教育を受けた経験の有無」等である。分析の結果,以下のことが明らかになった。1.日本の韓国の大学生の3-4割の人は,子どもの頃,親から身体の一部をたたかれた経験がある。韓国の大学生は,身体の部位によって,しつけ,または虐待と考えていたが,日本の大学生はしつけとして認識していた。2.両国の大学生の多くは,しつけのつもりであっても,子どもの心や体を傷つける行為は虐待になると考えていた。その認識の判断基準には,かれらがどのような家族のもとで育ち,どのようなしつけや虐待を受けたのかということが少なからず影響していた。3.9割以上の大学生が虐待だと認識した行為は,日本の場合は,「子どもにやけどを負わせる」などの7行為,韓国の場合は,「子どもの顔をたたく」などの5行為である。4.しつけとしての体罰を容認する大学生は,容認しない大学生に比べて,様々な行為をしつけとして行ってよいと考える傾向がある。5.児童虐待に関する情報に接したり,大学で講義を受けた経験がある大学生は,それぞれの行為を虐待として認識する傾向がみられた。一方,講義を受けることで,今後,被虐待児童を発見した際,うまく対応できるか不安を感じるようになっている大学生も多くみられた。6.児童虐待に関する的確な判断と対応のためには,教員になる前の段階から児童虐待防止のための学習が必要である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 離別によるひとり親家庭で育った大学生のライフストーリー2014

    • 著者名/発表者名
      上野顕子・李璟媛
    • 雑誌名

      日本家政学会誌

      巻: 65-1 ページ: 27-36

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 未就学児の父親におけるしつけと虐待の実態と意識―2000年と2010年調査の比較―2014

    • 著者名/発表者名
      李璟媛・津村美穂
    • 雑誌名

      比較家族史研究

      巻: 28 ページ: 88-118

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 教員養成課程の大学生における児童虐待に関する意識2014

    • 著者名/発表者名
      上本めぐみ・李璟媛
    • 雑誌名

      教育実践学論集

      巻: 15 ページ: 13-26

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 育児をめぐる迷惑意識が母親の育児行動に及ぼす影響 行為者側からみた公共の場における社会的迷惑2014

    • 著者名/発表者名
      中谷奈津子・森田美佐
    • 雑誌名

      大阪府立大学紀要,人文・社会科学

      巻: 62 ページ: 1-15

  • [雑誌論文] 「カジメン」「イクメン」に向けた家庭科の教育2014

    • 著者名/発表者名
      森田 美佐
    • 雑誌名

      高知大学教育学部研究報告

      巻: 74 ページ: 115-121

  • [雑誌論文] New Work Life Balance: Life Development Balance2014

    • 著者名/発表者名
      Misa Morita
    • 雑誌名

      20th Anniversary International Year of the Family 2014 IFHE E-Publication

      巻: 1 ページ: 178-187

    • 査読あり
  • [学会発表] 韓国における子育てとWLB2014

    • 著者名/発表者名
      李璟媛・李京姫・洪上旭・呉貞玉・山根真理
    • 学会等名
      第87回日本社会学会大会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2014-11-22 – 2014-11-22
  • [学会発表] 韓国における『結婚』のゆらぎと子育て2014

    • 著者名/発表者名
      山根真理・李京姫・洪上旭・呉貞玉・李璟媛
    • 学会等名
      第87回日本社会学会大会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2014-11-22 – 2014-11-22
  • [学会発表] 子どものしつけ・虐待と家庭科教育―教員養成課程の大学生の調査から―2014

    • 著者名/発表者名
      森田美佐・李璟媛・呉貞玉
    • 学会等名
      第57回日本家庭科教育学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2014-06-28 – 2014-06-28
  • [学会発表] 韓国の教員養成課程の大学生におけるしつけと虐待に関する認識2014

    • 著者名/発表者名
      李璟媛・呉貞玉・森田美佐
    • 学会等名
      第66回一般社団法人日本家政学会大会
    • 発表場所
      北九州国際会館
    • 年月日
      2014-05-25 – 2014-05-25
  • [学会発表] 職場における女性の活躍推進と「生活」環境2014

    • 著者名/発表者名
      森田美佐
    • 学会等名
      第66回一般社団法人日本家政学会大会
    • 発表場所
      北九州国際会館
    • 年月日
      2014-05-25 – 2014-05-25
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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