個々の障害者・要介護者が日常生活の中で自分の健康を意識し,自ら積極的に健康を維持・増進しようとする取組みは極めて不十分である。主に肺炎予防のための呼吸機能の維持・向上を目的とした10分間の障害者・要介護者向け健康体操を開発した。体操参加者の呼吸機能検査を含む身体機能と健康関連QOLの特性および体操参加効果について報告する。HRQOLでは,SF-8のすべての8項目でWC利用者と歩行可能者で差が無かった。WC群の呼吸機能の測定値は低値であった。体操参加1年後の測定では,ピークフロー値、%ピークフローは有意に増加していた。これらは誤嚥性肺炎予防と関連する咳嗽力(強く咳をする能力)を表す指標である。
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