研究課題/領域番号 |
24500908
|
研究機関 | 東京医療保健大学 |
研究代表者 |
高木 晴良 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (90187930)
|
研究分担者 |
高野 貴子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (50236246)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ダウン症 / 身長 / 体重 / 成長曲線 / 出生時体重 / 出生時身長 |
研究実績の概要 |
2カ所で行ったアンケート結果と、都内のダウン症外来におけるカルテデータについて、その違いを解析した。対象人数は男子278人(55.8%)、女子220人(44.2%)の計498人であり、3カ所のデータで特に男女の割合に有意な差は見られなかった。さらに、それぞれの出生年(p=0.619)、出生時身長(p=0.612)、出生時体重(p=0.606)でも特に有意な差は見られなかった。これらの結果から、3カ所のデータには大きな差異は見られないため、合わせて解析用データ、及び成長曲線の基本データベストすることにした。 出生体重の平均値を性別にみると、男子2761 g、女子2820 gであり、有意な差は見られなかった(p=0.164)。しかし、1992年の全国平均値(男子3140 g、女子3060 g)と比較すると、それぞれ男子で379 g、女子で240 g有意に出生時体重が少なかった(p=0.000)。 出生身長の平均値を性別にみると、男子47.4 cm、女子47.5 cmであり、有意な差は見られなかった(p=0.809)。しかし、1996年の全国平均値(男子49.3cm、女子48.8cm)と比較すると、それぞれ男子で1.9 cm、女子で1.3cm有意に出生時身長が低かった(p=0.000)。 5歳時点の体重平均値を性別にみると、男子15.3 kg、女子15.1 kgであり、有意な差は見られなかった(p=0.362)。一方、5歳時点の身長平均値を性別にみると、男子98.0 cm、女子96.4 cmであり、有意に男子の方が高かった(p=0.001)。 なお、ダウン症児が正常5歳児とほぼ同じ身長になるのは、男女共に7.5歳ごろであり、約2.5歳分だけ身長の伸びが遅れていると考えられた。さらに、正常10歳児とほぼ同じ身長になる時点で、男子では5歳児の時と同様に約2.5歳分の遅れだったが、女子は約4歳分の遅れがあり、男女で成長曲線の推移に違いがみられるようである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
所属変更に伴い、サーバの保守運用をアウトソーシングすることになり、業者選定に時間がかかった。また、アウトソーシングのための費用は想定していなかったために、全体的に予算計画の再検討が必要になっている。さらに、保守作業は業者経由になってしまうため、作業の自由度が利かず、戸惑っている。 一方、アンケート対象の2団体のうち、1団体が活動停止状態であり、実際に利用してもらった使用感を再アンケートで確認する予定だったが、実施できないで現在に至っている。個人情報を保護するために、名簿は各団体で管理しており、研究者の手元にはないため、アンケート対象者に直接連絡を取ることができない。アンケート協力者に、自分の子供のデータにアクセスするためのIDとパスワードを配布できない状態である。現在、解決方法を模索中である。 なお、端末の整備状況としては、iPhone6+を購入し、MacOSによる利用環境を調べているが、タブレットなどは未だ未購入である。
|
今後の研究の推進方策 |
まず、3カ所分のデータを合わせたデータを利用して、成長曲線を作成するソフトをアップする。年齢毎に、1年後にどのような身長・体重になるのかを予想する予想式を検討し、WEB上で表現できるようにする予定である。ただし、身長・体重以外の項目に関しては、アンケートとカルテで大きく違うため、その辺りの整合性について、さらなる検討が必要である。 サーバに関しては、専用ドメイン名を入手するところまで至っていないので、今年度には専用ドメインを入手し、公開できる体制にしたいと考えている。 端末に関しては、タブレットの購入を検討していたが、Windows10が発表になり、使い勝手が大きく変わるということなので、対応するパソコンも購入する必要が生じ、優先順位としてはパソコンの方が高いのではないかと感じている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度分は、事務手続きの都合上で、半期分をまとめて手続するようにしたのだが、その手続き申請が遅れたために、昨年度後半分の使用金額(約50万円)が今回のデータに反映されていない。それが反映されれば、単年度分としてはほぼ予定通りである。ただし、前年度からの繰り越し分が大きいので、その影響が出ている。繰り越し分が残った理由としては、移転所属先では事務作業のための事務員を雇うためのスペースが確保できなかったこと、サーバ管理のアウトソーシングが、予想より安く済んだこと、計画していた2度目のアンケート調査が進んでいないことなどが考えられる。
|
次年度使用額の使用計画 |
まず昨年度後半分の使用金額を繰り入れる必要がある。さらに今後、新しい端末としてWindows10のパソコンが必要になるので、繰り越し分はその購入に充てる予定である。なお、アウトソーシングに関しては、今年度と同程度の費用で運用できる予定であるが、新規ドメイン名の入手などの手続きも必要になるので、その分も費用が必要になるはずである。事務作業員に関しては、週1回程度でも良いので、雇いたいところであるが、現在も交渉中である。
|