研究課題/領域番号 |
24500910
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
石井 浩子 京都ノートルダム女子大学, 生活福祉文化学部, 准教授 (70353141)
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研究分担者 |
長谷川 大 立正大学, 社会福祉学部, 助教 (60552908)
前橋 明 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授(Professor) (80199637)
松尾 瑞穂 国際学院埼玉短期大学, 幼児保育学科, 講師(Lecture) (90592949)
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キーワード | 幼児 / 保護者 / 生活習慣 / 体格 / 体力(体力・運動能力) / 生体リズム(体温) / 身体活動量(歩数) / 疲労度 |
研究概要 |
本研究では、研究期間の3年間を通して、幼児の生活リズムに大きな影響を与える保護者の生活習慣の実態調査と、その幼児の生活習慣調査をあわせて行い、親子間の生活要因(時間)相互の関連性を分析し、今日の幼児の健康管理上の問題点とその改善策や予防策を検討していく。さらに、幼児の身体状況として、体格(カウプ指数)や体力(体力・運動能力)、生体リズム(体温)、身体活動量(歩数)を測定・調査し、生活習慣との関連も分析し、あわせて、個々の生活習慣や身体状況を評価する。こうして、得た知見を用い、わが国の多くの地域における親子の健康づくり実践に生かしていくことを目的とした。 その中で、平成25年度は、(1)幼児の生活習慣の継続的把握と、子どもたちの抱える問題の解明を行った。①継続して、幼児の生活習慣調査と身体状況(体格、体力・運動能力)の実態調査や測定を行った。②回収した調査用紙は、結果を項目ごとに図表にまとめ、子どもたちの抱える問題点を分析した。さらに、家庭における生活改善のため、調査と測定で得られた子ども個人の体格や生活状況、体力・運動能力の実態から、個々に「すこやかキッズカード」を作成して、園や各家庭に報告した。また、③近年3年間の子どもの生活習慣調査と体力・運動能力テストの実測値をコンピュータに入力し、それらの関係性をより詳細に分析した。さらに、(2)保育や育児の中でできうる保育のプログラムづくりや健康づくり実践および家庭啓発のあり方の模索を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①一個人あたりの調査や測定項目が多いため、ペースは遅いが、少しずつでも継続して、幼児の体力・運動能力測定と生活習慣調査を実施し、情報を得ることができている。 ②調査・測定結果を図表にまとめ、園児の生活習慣と体力の課題を各園にフィードバックするとともに、個々の園児に健康カード(生活版、生活・体力版)を作成し、個々の生活改善に寄与してきた。
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今後の研究の推進方策 |
(1)幼児の生活習慣と体力の継続的把握と分析・問題の解明 継続して、幼児の生活習慣調査と身体状況(体格、体力・運動能力)の実態把握を実施する。あわせて、保護者の生活習慣調査も行い、関連性を分析する。それらの分析結果を保護者や協力園にフィードバックするため、結果を項目ごとに図表にまとめるとともに、調査と測定で得られた子ども個人の体格や生活状況、体力・運動能力の実態から、個々に「すこやかキッズカード」を継続して作成・配布する。 (2)園や保護者へのフィードバックと啓発活動 子どもたちの抱える問題点の改善計画を実践・普及させるために現地に出向き、研究協力園だけでなく、各県の教育委員会や保育士会・社会福祉協議会などとも連携し、講演会や実技指導を保護者や教師、保育士をはじめとする関係者に展開する。また、家庭で、親子いっしょに生活リズムを整えていくためのモデル事業を計画し、啓発活動や具体的実践活動の指導を行う。 (3)保育・家庭啓発プログラムの作成 健康づくりの実践内容とともに、実践上で留意すべき事項をも整理し、「幼児の健康づくりマニュアル」「リーフレット」を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
幼児と保護者の生活調査用紙は、研究代表者と分担者がそれぞれ印刷をして使用していたが、データ読み取りの際の不具合があったことから、今後、印刷会社に依頼することとし、次年度より統一用紙作成の費用を準備することにした。 各園や家庭での生活改善に寄与するため、「幼児の健康づくりマニュアル」と「リーフレット」をカラー印刷で見やすく理解しやすいものにし、多くの園や家庭に行き渡るよう、最終年に費用を確保することとした。 幼児と保護者の生活習慣の調査用紙の印刷費、調査・測定、データ処理についての補助費、調査研究旅費、研究打合せ費用、研究成果発表(学会発表、調査研究打ち合わせ旅費、論文投稿費)、「幼児の健康づくりマニュアル」「リーフレット」作成・印刷費などを計画している。
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