研究課題/領域番号 |
24500934
|
研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
東 実千代 畿央大学, 健康科学部, 准教授 (10314527)
|
研究分担者 |
岡本 啓子 畿央大学, 教育学部, 教授 (10382300)
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (50379525)
萬羽 郁子 近畿大学, 医学部, 助教 (20465470)
久保 博子 奈良女子大学, その他部局等, 准教授 (90186437)
磯田 則生 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (60016871)
都築 和代 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (70222221)
|
キーワード | 高齢者 / 熱中症 / 住環境 / 温度 / 湿度 / 日常生活習慣 / 皮膚温 / 睡眠 |
研究概要 |
平成25年度は事例数を増やすため、平成24年度と同様の内容(日常生活習慣・暑熱対策・熱中症に関するアンケート調査の集合法による実施、体組成・温冷覚閾値等の身体データ、人体周囲温湿度のモニタリングおよび温冷感・快適感等の主観申告)を、高齢男性12名、高齢女性12名の計24名分を追加測定した。さらに、高齢女性・若齢女性各6名の日常生活環境下における個人モニタリング(人体周囲温湿度・主観申告・皮膚温計測)を行った。 2年の研究期間において、高齢者の夏期における日常生活環境下の温湿度環境の実態と住まい方、温冷感に関わる主観申告を詳細に分析するための事例数が概ね当初の計画通り揃った。 温熱環境の実態調査からは、WBGTが警戒域以上で生活している時間が長いこと、主観評価調査からは、暑い環境を許容する傾向が強いことが示された。皮膚温変動の傾向については、今後詳細を分析する予定であるが、高齢者は若齢者と比較して躯間部の変動が大きい傾向がみられた。平成25年度冬期からは、季節による変動傾向を把握するための調査を事例的に開始し、平成26年度も引き続き測定する予定である。 さらに、今後の介入内容の検討のため、日傘に着目した調査を実施した。日傘は女性が紫外線対策として使用するイメージが強く、男性の使用率は低いのが現状であるが、暑熱対策としての効果も大きく、熱中症弱者である高齢者の使用には効果が見込めると考えられる。使用実態や抵抗感に関する意識調査(N=184)および日傘使用による暑熱対策の有効性を検討するための被験者実験(N=10)結果より、使用の意義と推進にむけた課題の整理を進める予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度、平成25年度の2年間で、高齢男女54名のアンケート調査結果および人体周囲温湿度の個人モニタリングデータ、高齢男女12名、若齢男女12名の日常生活環境下における生理反応(皮膚温変動)データを取得できた。高齢被験者には測定結果を開示、報告するとともに、熱中症に関する情報提供を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度、25年度の高齢被験者を対象とし、生活習慣や暑熱対策に関するアンケート調査を実施し、情報提供や実験参加による意識付けが与える影響について検討する。さらに、夏期だけでなく季節を通じた個人モニタリングデータの事例測定を継続して行ない、冷暖房使用や着衣調整等の対策をコントールし、生理反応に与える影響を詳細に分析する予定である。平成26年度は研究最終年であるので、これまでのデータを総括する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の一部をすでに購入済みのもので代用したため。 介入調査に関わる費用に充てることとする。
|