研究課題/領域番号 |
24500937
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市立工業研究所 |
研究代表者 |
吉村 由利香 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 生物・生活材料研究部, 研究室長 (00416314)
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研究分担者 |
大江 猛 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, その他部局等, 研究員 (10416315)
齋藤 守 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, その他部局等, その他 (20416358)
北口 勝久 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, その他部局等, 研究員 (30416359)
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キーワード | LED光源 / 演色性 |
研究概要 |
平成25年研究実施内容: ① LEDの分光分布が物体色に及ぼす影響について知見を得るため,代表的な分光分布のLED光源について,様々の色相・明度・彩度の物体色を照明した際の色ズレを計測する。これらのデータを基に,標準化に適するLED光源の分光分布について検討する。② LED光源の配光分布を測定し,LED照明の配光特性について調べる。③ LED照明器具の拡散透過板の経年劣化による透過率・拡散率の変化が配光性に及ぼす影響を調べるために,キセノンフェードメーターを用いて,代表的なLED用樹脂透過板材料の促進劣化試験を行う。 得られた結果の内容、意義、重要性: ① LED光源の標準化を目的に, D65光源(標準光源のスタンダード)からの色彩ズレが最も少なくなるLED光源の分光分布について検討を行った。LED光源では,青系の物体色色彩が最も敏感にLEDの分光分布の影響を受けることが分かった。そのため,青色の色彩値の変化を指標に,標準化に適するLEDの分光分布について検討を行い,標準光源として最適なLED光源のピーク波長やピーク比などについて,知見を得ることができた。②LED照明器具の配向測定を行った。LED照明では,拡散透過板によって,光束の広がり(配光性)や光源の眩しさ(グリッター)などが大きく変化することが分かった。これらは,拡散透過板材料である樹脂材料の劣化で大きく変化するため,今後,拡散透過板の耐久性とこれらのLED照明器具の性能に関わる検討が必要であると考えられた。③ 長寿命が特徴であるLED照明器具では,樹脂製の拡散透過板の経年変化(白化・黄変・クラックなど)が大きな問題となることが予想されることから,キセノンフェードメーターを用いて, LED照明の代表的な樹脂透過板材料を促進的に劣化させ,拡散透過板の劣化に関する評価のための試料作製を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H25年度は,前年度に作成しLED光源による色彩評価システムを用いて,LED光源の分光分布が物体色の見え方に及ぼす影響について,様々の色相・明度・彩度の物体色を対象に検討を行い,標準化に適するLED光源の分光分布について検討した。この結果を基に,実験計画通り,LED光源を標準化するための分光分布について,有用な知見を得ることができた。 また,長寿命が特徴であるLED照明器具では,樹脂製の拡散透過板の経年変化(白化・黄変・クラックなど)が光束の配光性や照明器具の演色性などに大きな影響を与え,問題となることが予想される。これらの課題解決のための測定,実験試料作成を計画通り行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
LEDの拡散透過板の経年劣化が色彩の見え方に及ぼす影響を評価するため,拡散透過板の樹脂材料の促進劣化実験を行う。LEDの拡散透過板の経年劣化が色彩の見え方に及ぼす影響を評価するためのシステムを作り,LED照明器具の樹脂製拡散透過板の劣化による透過率・拡散率の変化がLED光源の光束の配光性やギラツキ,演色性などに及ぼす影響を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
拡散透過板の促進劣化実験が次年度も継続実施となったため,これに伴い,促進実験のための費用,結果を評価するための費用が次年度に持ち越した。また,得られた結果の学会発表,論文投稿費用などもH26に持ち越した。 促進劣化実験消耗品:30万,演色性評価用標準光源:10万,学会発表旅費:7万,論文投稿費:5万
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