本研究は、環境負荷の大きい麺などのデンプン食品の茹で調理の負荷低減を実現する為の基礎研究であり、デンプン食品の水分移動は糊化によって決まる水分保持能力(WHC)が支配因子であり、糊化デンプンの分散断片が系外へ流出することなく表層部に堆積するとWHCが過度に上昇して、内部への水移動速度の低下を引き起こす。しかしながら、麺と流体との相対速度が適当な条件では、分散断片が流れによって系外へ溶出し、沸騰温度未満かつ少ない湯量であっても、内部への水分移動が促進されるため、環境負荷低減が実現される。本研究では表面WHCと分散溶出へ及ぼす流体挙動を定量化し、水分移動への影響を明らかにすることを目的とする。
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