研究課題/領域番号 |
24500941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
村上 陽子 静岡大学, 教育学部, 教授 (40284335)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 食嗜好 / 和菓子 |
研究概要 |
視覚はおいしさを感じる上で大きな役割を果たしている。日本料理においては、色彩が鮮明で美しいことが大切にされるが、見た目の美しさは素材の天然色を生かす調理法、盛り付け方など、視覚上の演出方法によるところが大きい。食における色の効果を大切にしてきた我が国には、和菓子という伝統的な菓子がある。和菓子には、①季節や行事により種類・色・形・材料などが使い分けられる、②形や色、テクスチャーが多様である、③カロリーが低い、④卵や小麦粉に起因する食物アレルギーの心配が少ないなど、他国の菓子には見られない優れた特徴を持つ。 一方、現代社会においては、加工品の普及により、簡便性、合理性、利便性が重視され、食における色彩は軽視される傾向にある。また、食生活の洋風化により、和菓子の喫食頻度は減少傾向にあり、食文化の継承という面において懸念すべき状況にある。本研究室では、和菓子の中でも色の美しさが特徴であり、色の配色や形の変化により季節感や造形美を表現できる練りきりに着目し、研究を進めており、いくつかの知見を得ている。和菓子の色が食嗜好や食行動に与える影響については本研究室以外では全く研究が行われておらず、新規性のある研究といえる。加えて、健全な食嗜好・食行動・食習慣の形成や食文化の継承には幼少の頃から体系的に食教育を行なう必要があるが、実践例の報告はほとんどないのが現状であり、本研究は食文化の継承という面からも貢献できる。 本年度では、練りきりの色彩構成と味覚との関連から、大学生を対象とした調査および実践研究を行なった。特に練りきりの色彩構成(色相,明度,彩度)が甘味感受性に及ぼす影響に着目し、男女間における食嗜好や色嗜好の変化を追究した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで詳細に調査されてこなかった我が国の食文化の一つである、和菓子の色彩構成と味覚との関係について、食嗜好性とも関連させて検討した。練りきりについては、茶席で用いられる和菓子であり、その色彩構成により季節感などを繊細に表現することが知られているが、練りきりの色彩構成が味覚に与える影響については調査されておらず、新規性のある調査といえる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に得られた研究結果をもとに、さらに世代による相違について検討していく。これにより、各世代にあった食育教材の開発が可能となるだけでなく、近年、軽視されている食における色の効果についても再認識する一助となると思われる。各校種・学年における食育教材を作成し、実践・評価を行なっていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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