食における色の効果を大切にしてきた我が国には,和菓子という伝統的な菓子がある。和菓子には,季節や行事により種類・色・形・材料などが使い分けられるなど,他国の菓子には見られない特徴を持つ。一方,現代においては,食における色彩は軽視される傾向にある。また,和菓子の喫食頻度は減少傾向にあり,食文化の継承という面において懸念すべき状況にある。 本研究では,色の美しさが特徴であり,色の配色や形の変化により季節感や造形美を表現できる練りきりに着目し,その食嗜好と色嗜好について,園児・児童・成人を対象とした調査を行った。これにより,成長に伴う食嗜好や色嗜好の変化,および食行動への影響を検討した。
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