食品増粘素材として多用されている多糖であるキサンタンガムの新たな健康機能を明らかにして、食生活上の有益性を確立することを目的として、本多糖のヒト腸管上皮様細胞株Caco-2細胞での抗炎症作用と高速液体クロマトグラフィーによる分析・定量方法を検討した。 9日培養したCaco-2細胞に腫瘍壊死因子(TNF)-α(0.1μg/ml)あるいは過酸化水素(60μg/ml)で刺激し本多糖を加えさらに2日間培養後、細胞間の密着結合の程度を電気抵抗値(TER)で測定するとともに炎症性のIL-8産生量を酵素免疫測定で定量した。その結果、キサンタンガムには明確なTERで測定した腸管のバリア損傷に対する抑制効果とIL-8の産生抑制効果を確認できなかった。 N-アセチル基を持つ以外の単糖や二糖は分光学的に検出できないので、示差熱検出系が用いられているが、その感度は低い。しかしながら、アミノベンジルエチルエステルで標識すると紫外でも蛍光でも検出できるようになる。そこで、キサンタンガムのトリフルロオ酢酸部分分解物の分析を行った。その結果、構成単糖であるグルコース、マンノースと二糖セロビオースが検出できた。このクロマトパターンにより化粧液製品中のキサンタンガムの定性と定量が可能であった。
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