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2012 年度 実施状況報告書

酵素を用いた調理によるテクスチャー改善の試みとその高齢者向け食品開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24500951
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福岡女子大学

研究代表者

舟木 淳子  福岡女子大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (60219079)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードテクスチャー / 酵素 / プロテアーゼ
研究概要

本研究は、超高齢社会にあっても誰もがおいしく食べられることを目指し、これを実現するために必要な調理方法を示すことを目的としている。そのための基礎的調理データとして、タンパク質を中心とした食品のテクスチャーを、プロテアーゼを用いることによりやわらかく、なめらかで、おいしいものにすることができることを示すことを試みた。平成24年度は、タンパク質ゲルに対するプロテアーゼの影響の概要の把握を行った。
1.タンパク質ゲル(豆腐など)に市販プロテアーゼ製剤(モルシンなど)を作用させた。クリープメータを用いた破断強度解析を行い、得られた応力‐歪曲線によりテクスチャーを評価したところ、やわらかいテクスチャーであると考えられた。このとき、タンパク質が分解されたことがSDS‐PAGEにより観察された。また、外観の変化はほとんどみられなかった。
2.タンパク質ゲルの中から豆腐を選択し、各種酵素反応条件を試みて最適条件を得た。まず、1で使用した以外のプロテアーゼ(パンクレアチン、パパインなど)についても豆腐に作用させ、作用後のテクスチャーを比較(クリープメータによる測定が中心であるが、一部官能評価、顕微鏡観察を含む)し、モルシンが適当であると考えられた。次に、これまで4℃で96時間行っていた酵素反応を40℃で16時間に変更したところ、前者と同様の品質のゲルを得ることができなかった。
3.モルシンを作用させた豆腐についてクリープ解析を行い、その粘弾性を検討した。モルシンを作用させた豆腐は対照と比べて瞬間弾性率、遅延弾性率、定常粘性率、遅延粘性率が小さかったことから、しなやかでのびのあるゲルであったと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

タンパク質ゲルに対するプロテアーゼの影響の概要の把握についてはほぼ計画通りに行うことができた。また、豆腐を中心にプロテアーゼの選択・反応条件の最適化を行うことができた。さらに豆腐については、テクスチャーの解析について計画していた破断強度解析に加え、クリープ解析を行うことができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度以降は1.タンパク質ゲルのテクスチャー変化の原因の追求や2.畜肉・魚肉等への応用を中心に行う予定である。
1.タンパク質ゲルのテクスチャー変化の原因については、卵白ゲルを中心に行う。主に卵白タンパク質の50%以上を占めるオボアルブミンを使用し検討を行う。この研究には市販の精製されたオボアルブミンを使用する予定である。
2.畜肉・魚肉等への応用については、これまでの本研究でプロテアーゼを作用させたときにタンパク質ゲルの外観に大きな変化がなかったことを生かして、やわらかくて食べやすく、食欲がわく外観の食品を作製していく。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の研究では、当初購入する予定であったプロテアーゼのうち一部のものについてはサンプル供与を受けたものを使用することができたなどの理由から“次年度に使用する予定の研究費”が発生した。平成25年度以降の研究では上記のように比較的価格の高い試薬等を使用する予定であり、また当初の予定より使用量が増える可能性があるので、平成24年度の“次年度に使用する予定の研究費”も合わせて使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] プロテアーゼ処理豆腐の物性2013

    • 著者名/発表者名
      舟木 淳子・阿部 祥恵・大塚 弘子・黒岩 理彩・西原 百合枝・江頭 和佳子
    • 雑誌名

      福岡女子大学国際文理学部・人間環境学部・人間環境学研究科紀要

      巻: 44 ページ: 19-22

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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