果実類に水温貯蔵を施し、低温ストレスによる多糖類の分解を促進させ、風味の改善をめざした。多糖類の中でもフラクタンの量的な変化に焦点を当て、その分解産物による関与を明らかにした。結果として特に「スイカ」において貯蔵期間の延長に伴い「甘さ」を含む評価が有意に上昇した。同時にフラクタンが減少したため、フラクタンの分解物が甘味に影響したと推察された。抗酸化能に関しては、貯蔵期間が長いほど上昇する傾向を示した。分子量画分の結果からは、貯蔵期間が長くなるほど低分子物質が増加する傾向がうかがわれ、抗酸化能上昇との関連が推察された。以上の結果より、氷温貯蔵がもたらす呈味性の変化およびその有効性が実証された。
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