研究課題/領域番号 |
24500958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 羽衣国際大学 |
研究代表者 |
池 晶子 羽衣国際大学, 人間生活学部, 准教授 (70379139)
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研究分担者 |
川瀬 雅也 長浜バイオ大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90224782)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 飲料水 |
研究概要 |
前年度に引き続き美味しさと水の性質の解析を行った。今年度は特に、水に含まれるミネラル成分(金属)だけでなく、pHや硬度といった物性との関わりに焦点を当てた。 まず、基準比較法による官能試験データの頻度と累積%を、国内の各サンプル水道水で調べたところ、官能評価が高評価である水道水は、明らかに評価値が高い値に偏り、分布形が他の水と異なった。「飲みやすさ」「爽快感」「喉越し」の評価項目について、「美味しさ」との相関を調べたところ、どれも高く、項目間に差がなかった。しかし、ロジスティック分析の結果からは「美味しさ」の回帰式に含まれる変数としては「飲みやすさ」が偏回帰係数が高く、高い関与が示唆された。また、このとき、「美味しい」よりも「美味しくない」の方が判別的中率が高く、被験者はサンプル水の味を、「美味しくないかどうか」で評価していると考えられた。 pH、TC(総炭素),IC(無機炭素),電導度、総硬度などを含む物性により水をクラスター分析したところ、サンプル水道水は4グループに分かれ、産地(北日本、中部、関西、関東)に一致していた。物性をもとに判別分析を行うと的中率は高く、特にpH、ICの判別係数が大きくなった。 含有元素についてサンプル水道水をクラスター分析したところ、おおまかに2グループに分かれた。重要11種類の元素についてロジスティック解析を行ったところ、K(カリウム)の回帰変数が高いこと、つまりKが分類上重要な元素であることが判明した。 これらの多変量解析結果より、pH,TC,IC,総硬度が、元素ではKが「美味しさ」を説明しているといえた。これらを変数として判別分析を行ったところ、判別的中率は「美味しくない」で100%となった。Kだけでも高いが、K+物性となった場合に非常に高くなる。したがって、KがICなどと関与しながら「美味しい水」の評価を形作っている可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
官能試験結果の信頼度を補う意味で、味センサーの構築を試み、味とかかわりのある物性を抽出することができた。味への評価に関与する物性やミネラルについてサンプル水のグループ分けを行い、無機炭素(炭酸)や、K(カリウム)が関与しているとことを明らかにした。しかし、官能評価を再現するまでの味センサーは構築には至らず、ミネラル添加による味の変化を評価することはまだできていない。
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今後の研究の推進方策 |
【美味しさのレベル】 官能試験のデータの信頼性を確認するために、被験者の考える「美味しい水」のイメージとこれまで用いた基準比較法の評価がマッチしているかどうかを被験者の美味しい水に対するイメージのアンケート調査と水の評価結果の関連性より調べる。 【水道水およびミネラルウォーターの分類】 各種の物性とミネラルにより国内の水道水およびミネラルウォーターを分類し、グループごとの類似点を地域性や味の評価と関連付ける。 【海外の水の分類】 国内のデータを下敷きに海外の飲料水についても同様の分類を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費より、実験材料となる国内の水道水およびミネラルウォーターの購入費として支出する。また、含有元素やその他の物性の分析に必要な試薬、器具を購入する。 成果の発表と情報収集のために、日本生物工学会(広島)と、日本陸水学会(滋賀)への参加を予定しており、旅費を支出する。 その他、文献収集費などを支出する。
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