研究課題/領域番号 |
24500958
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研究機関 | 羽衣国際大学 |
研究代表者 |
池 晶子 羽衣国際大学, 人間生活学部, 教授 (70379139)
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研究分担者 |
川瀬 雅也 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (90224782)
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キーワード | 水道水 / 飲料水 / ミネラル成分 / 主成分分析 |
研究概要 |
今年度は、ミネラル成分のうち、含有量の比較的高い成分に焦点を絞って、国内各地の水道水の主成分分析によるグループ分けと特徴づけをおこなった。主成分分析結果では水道水サンプルは大きく3グループに分けられた。概ね地域ごとにまとまって分布し、ミネラルバランスに地域特性があることが示唆された。これらのグループに属する水道水の特性の共通項を調べたところ、味覚官能試験で高評価を得た水道水が占めるグループは、中生代以前の比較的古い地質由来で、地表水より取水されたものが多いこと、逆に味の評価が低い水道水の多いグループは、新生代以降の新しい地質由来で、地下水より取水している傾向があった。このグループにはSi濃度、 Ca濃度に特徴がみられた。 また、ミネラル元素に、pH、電気伝導度(EC)、溶存固形物総量(TDS)、有機・無機炭素源濃度(TC・IC・TOC)、酸化還元電位(ORP)および総硬度の物性値を加味した主成分分析も行った。この場合もやはり3グループに分かれ、味の評価、地質の年代、取水源の傾向は、ミネラル元素のみの分析と同様であった。味の評価の低いグループではpHの値に特徴があることがわかった。 主成分分析とは別に、味の評価に寄与するミネラル元素や物性値を抽出するために、判別分析を行ったところ、Ca濃度、 Si濃度、 pH値の判別係数が高く、主成分分析と矛盾しない結果が得られた。 以上の結果を日本陸水学会で発表した(2013.9滋賀)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水道水を中心にミネラル元素と各種物性値による主成分分析によるグループ分けが完了し、各水道水の由来する地質や取水源地形との関わりについて考察できた。また、それらの特性がどのように味の評価と関連するかも考察できた。市販ミネラルウォーターや海外の水道水についての特徴付については、サンプルの収集がまだ十分ではなく進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
ミネラル元素の種類をさらに微量成分まで広げて、主成分分析によるグループ分けを行い、差異が現れるかを検証する。また、国内の水道水と比較して、ミネラルバランスや物性値により大きなばらつきが予想される海外のミネラルウォーターを対象にした分析を行い、国内の水道水の傾向と比較する。 さらに、緑茶での飲用時の、水道水水質や付帯特性による緑茶の物性のバラエティーを分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
海外の水サンプルの購入が進まず、購入費・運搬費、それに付帯する分析費用も当該年度に支出できなかったため。 海外の水サンプル収取やその分析費を支出する。 また、成果の発表と情報収集のため、日本陸水学会と日本食品微生物学会への参加を予定している。さらに、日本水環境学会への論文投稿のための費用を支出する予定である。
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