【方法】北海道産ジャガイモ5品種(男爵薯,メークイン,ピルカ,トヨシロ,はるか)を収穫直後(11月入手)と貯蔵6ヵ月に,長崎県産ジャガイモ6品種(ニシユタカ,アイユタカ,デジマ,さんじゅう丸,西海31号,西海37号),1系統(西海40号)の春作(7月入手)と秋作(1月入手)を用いて,それぞれを前年度と同じ条件で揚げ,蒸し,電子レンジ,ゆで,焼き加熱で調理した。調理前後の試料中の遊離還元糖,遊離アミノ酸,全フェノール物質含量,色,物性についての測定と官能検査(評点法)を行い,これら化学的,物理的性質と官能検査の関係を調べた。また,前年度,前々年度の結果との比較を行った。 【結果】官能検査の総合評価において,北海道産の収穫直後では,ゆで加熱で,はるかの評価が高かった。貯蔵6ヵ月では,揚げ加熱でメークイン,はるかが高かった。蒸し加熱では,はるかが高く,トヨシロで低かった。焼き加熱では,メークインが高く,トヨシロで低かった。ゆで加熱では,メークインが高かった。 長崎県産秋作では,揚げ加熱のさんじゅう丸が高く,春作では蒸し加熱及びゆで加熱の西海37号が高く,前々年度と同じ傾向が見られた。その他の加熱法,品種間においては特徴的な関係性は見られなかった。 これらの官能評価結果は,前年度,前々年度とほぼ同様の傾向を示した。その他の品種及び加熱法においては化学的性質や物性において特徴的な関係は見られなかった。
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