ヒトは40種類ものカロテノイドを食品から摂取するが、組織に蓄積されるものは限られている。生体にはカロテノイドに対する選択的吸収機構が存在し、生体利用性と密接に関わっていると仮説を立て、腸管細胞モデルを使って3つの観点から研究を行った。①吸収受容体が選択性に影響を与える1要因であることがわかったが、全吸収における依存率は多いケースで20-30%であった。受容体を介さない単純拡散も併存しており、その寄与率の方が高いことがわかった。②排泄トランスポーターも選択性に与える因子と予想したが、その関与を見出すまでには至らなかった。③一方、吸収を制御する食品成分を見出し、吸収促進メカニズムを明らかにした。
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