利便性が高い出し入りの味噌は、出しの成分が味噌麹に含まれる酵素フォスファターゼにより分解されるため、出しを添加する前に加熱処理等を施すことにより酵素を失活する必要がある。しかしながら、このときの加熱処理で生味噌の色や風味が劣化することが問題となっている。そこで、本研究では味噌の加熱時間を短縮する目的で、短波帯交流電界加熱処理を行った。味噌中の酵素のプロテアーゼおよびフォスファターゼの活性の変化について、従来法加熱処理と短波帯交流電界処理を比較したところ、今年度の成果として、以下のことが明らかとなった。 1.短波帯交流電界処理は、従来法の加熱処理に比べてプラスチック包装した味噌において従来加熱法ではもっとも昇温に時間を要した中心部の味噌の昇温時間を1/3以下に短縮可能なことが分かった。 2.短波帯交流電界処理は、味噌中のプロテアーゼ活性及びフォスファターゼ活性を従来加熱処理よりも12℃低い72℃で完全に失活することが分かった。
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