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2012 年度 実施状況報告書

ガーリックオイルの主要成分と生体防御系機能との関連

研究課題

研究課題/領域番号 24500971
研究機関上越教育大学

研究代表者

立屋敷 かおる  上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 理事・副学長 (20119324)

研究分担者 今泉 和彦  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60145068)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワードニンニク / 含硫化合物 / diallyl disulfide / 白血球系細胞 / Tリンパ球 / Bリンパ球 / コルチコステロン / ラット
研究概要

ガーリックには抗がん作用、交感神経亢進作用、抗炎症作用、免疫調節作用等の生理・薬理効果が報告されているが、免疫調節作用については不明な点が多い。この点を明確にすることは栄養生理学や健康科学の側面からみて極めて重要である。
本年度は、免疫機能を担う各種白血球系細胞数の動態に及ぼすガーリックの脂溶性の主要含硫化合物・diallyl disulfide (DADS)の影響を検討した。12時間絶食した10週齢雄性ラットにDADS(0, 10, 20,40mg/kg体重)を経口投与し、投与0,1,2,4,6時間後に尾静脈より採血し、各種白血球系細胞(総リンパ球・単球・好中球・好酸球・好塩基球)を、投与4時間後にリンパ球のサブセット(Tリンパ球・Bリンパ球・NK細胞)の数を各々測定・解析した。さらに、投与2時間後に血漿コルチコステロン濃度を測定した。その結果、DADS投与により総白血球、総リンパ球および単球の各数は投与量に比例して低下したが、顆粒系の細胞数には変動がみられなかった。また、リンパ球系のサブセットのうちTリンパ球とBリンパ球の数はDADSの投与量に比例して低下したが、NK細胞数は変化しなかった。一方、血漿コルチコステロン濃度はDADSの投与量に比例して有意に上昇した。これらの結果より、DADS投与による血漿コルチコステロン濃度の上昇は交感神経活動の亢進に伴う視床下部‐下垂体‐副腎系の内分泌応答カスケードの活性化によると推定できる。また、血中の白血球系細胞数の動態はグルココルチコイドによって調節されていることから、DADS投与後のTリンパ球・Bリンパ球及び単球の各数の低下作用は血漿グルココルチコイド濃度の上昇を介した現象であると推定できる。以上より、DADS投与によってラット血中の獲得免疫を担う総リンパ球とサブセット及び単球の各数が投与量に依存して低下したと結論付けられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画が妥当であり、現在まで研究が概ね順調に進展している。しかし、平成25年度には亜急性実験を予定しており、それに用いる各種の含硫化合物を購入するため、費用の一部を次年度に繰り越した。

今後の研究の推進方策

平成25年度については、交付申請書の実施計画にしたがって行う予定である。現時点では、実施計画に沿って研究を遂行できる見通しを得ている。
なお、研究代表者の立屋敷かおるが上越教育大学の理事・副学長に就任したが、従前の計画通り、実際の実験は研究分担者(今泉和彦)の所属する早稲田大学人間科学学術院で実施し、研究を遂行していく。遂行に際して、困難な問題はない。
また、平成25年度に、平成26年度計画しているβ2アドレナリン受容体の遺伝子発現応答に及ぼすDADSの影響を予備的に検討する予定である。それに先立って、平成24年度にβ2アドレナリン受容体に関する総説を執筆・投稿した結果、日本体力医学会の英文誌(Journal of Physical Fitness and Sports Medicine)に掲載された。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は、各種の含硫化合物の投与量を変える亜急性実験を予定している。これらの実験に用いる試料や測定の試薬や消耗品類、動物飼育の謝金等が多く見込まれるため、昨年度繰越した研究費と併せて本年度の研究費として使用し、予定の研究を達成する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Diallyl disulfide reduced dose-dependently the number of lymphocyte subsets and monocytes in rats.2012

    • 著者名/発表者名
      Hashizume Y, Shirato K, Abe I, Kobayashi A, Mitsuhashi R, Shiono C, Sato S, Tachiyashiki K and Imaizumi K.
    • 雑誌名

      Journal of Nutritional Science and Vitaminology

      巻: 58 ページ: 294-298

    • DOI

      10.3177/jnsv.57.197

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of β2-agonists and exercise on β2-adrenergic receptor signaling in skeletal muscles2012

    • 著者名/発表者名
      Sato S, Shirato K, Kizaki T, Ohno H, Tachiyashiki K and Imaizumi K
    • 雑誌名

      Journal of Physical Fitness and Sports Medicine

      巻: 1/1 ページ: 139-144

    • DOI

      10.7600/jpfsm.1.139

    • 査読あり
  • [学会発表] ラットリンパ球サブセット数および単球数に及ぼすDiallyl disulfideの影響2013

    • 著者名/発表者名
      橋爪陽子、白土健、阿部郁美、小林歩、三橋亮介、立屋敷かおる、今泉和彦
    • 学会等名
      第67回日本栄養・食糧学会大会
    • 発表場所
      名古屋大学東山キャンパス(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      20130525-20130525
  • [学会発表] Diallyl disulfide 経口投与によるラットリンパ球サブセット数および単球数の用量依存的低下作用2012

    • 著者名/発表者名
      橋爪陽子、白土健、阿部郁美、小林歩、三橋亮介、立屋敷かおる、今泉和彦
    • 学会等名
      第67回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      長良川国際会議場・岐阜都ホテル(岐阜県岐阜市)
    • 年月日
      20120915-20120915

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公開日: 2014-07-24  

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