おいしさと記憶による食行動の調節機構を明らかにするために、味覚嫌悪学習における記憶の成立と嗜好性の変化を個別に分析し、その神経メカニズムを調べることを目的とした。行動学的実験において、新規に実験装置を開発し、実験動物(ラット)の飲み口への接近を検出することで記憶の成立を定量的に解析する方法を確立した。また、飲み口へのリックを検出することで摂取行動のパターンを分析し、嗜好性の変化を明らかにする方法を確立した。これらの方法に基いて、行動薬理学的実験を行い、扁桃体基底外側核が味覚嫌悪学習における記憶の成立と嗜好性の変化の両方の機能において非常に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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