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2012 年度 実施状況報告書

閉塞性肺疾患におけるビタミンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 24500976
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鳥取大学

研究代表者

山崎 章  鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (70325009)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードビタミン
研究概要

気管支喘息及びCOPDの病態には酸化ストレスが関与している。この酸化ストレスには、ビタミンA, C, Eなどの抗酸化作用のあるビタミンが有効である可能性がある。我々は基礎実験および臨床研究で、これらビタミンに関する検討を行った。
基礎実験は培養気道平滑筋細胞を用い、ビタミンEの平滑筋細胞の増殖、遊走および筋線維芽様細胞への分化に及ぼす影響について検討を行った。ビタミンEには8つのisoformがあるが、これらの中でα-tocotrienolとγ-tocotrienol, δ-tocotrienolを用いた。細胞の刺激にはPDGF-BBおよびTGF-βを用いた。γ-tocotrienolは濃度依存性にPDGF-BB刺激による気道平滑筋細胞の遊走および増殖を抑制した。また、同様の結果がδ-tocotrienolでも認められた。また、TGF-βによる気道平滑筋細胞の分化についてはα-sm-actinの発現量をWestern blotting法で確認した。γ-tocotrienol及びδ-tocotrieonolはTGF-βによるα-sm-actinの発現の増強を有意に抑制した。
臨床では55名の慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息患者を含む何等かの基礎疾患を持つ患者を対象として検討した。ビタミン接種量はアンケートにより、酸化ストレスは、diacron reactive oxygen metabolites (dROMs):高値であることは酸化ストレスが高いとされる:を測定した。ビタミンEのisoformの一つであるα-tocopherolはd-ROMsと負の相関を示し、また、一秒量、%1秒量もd-ROMsと負の相関を示した。
従って、ビタミンEが閉塞性肺疾患の病態に関与している可能性が示唆された。また平滑筋細胞に影響を及ぼすことより、閉塞性肺疾患の治療に有用である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

in vitroについて
ビタミンA, C,およびDについての検討がまだ十分できていない。今後検討する予定である。
in vivoについて
同意の得られた患者さんが少なく、今後さらに多くの患者に協力を依頼する必要がある。

今後の研究の推進方策

in vitroについて
ビタミンA, C,およびDについての検討がまだ十分できていない。今後検討する予定である。
in vivoについて
現在、気管支喘息およびCOPDの患者の血清中のビタミン測定および呼気濃縮液の採取を行っており、今後酸化ストレスおよび呼吸機能検査などの測定を行う予定である。まだ同意の得られた患者さんが少なく、今後さらに多くの患者に協力を依頼する必要がある。

次年度の研究費の使用計画

今年度同意の得られた患者が少なかったため、当初予定していた使用額を使用できなかった。そのため、次年度は同意の得られた患者より随時各種ビタミン濃度の測定および酸化ストレスのマーカー、抗酸化能の測定を行う。 (368566円をはじめに用いる予定としている。)

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] トコトリエノールの気管支平滑筋細胞に及ぼす影響について2012

    • 著者名/発表者名
      原田智也
    • 学会等名
      日本アレルギー学会
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      20121129-20121201

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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