肥満などの生活習慣病と発がん(および癌死)の関連性が注目されている。本研究では変性脂質の胆道発がんへの関与を検討した。リソリン脂質は胆管上皮細胞のG2A発現を増加させるとともにアポトーシスを惹起した。さらにその変化は劣化脂肪酸の共存によりsynergisticに増強した。さらに、LPCは胆管上皮細胞に対し酸化ストレスを介して細胞老化を誘導し、SASP因子の産生により周囲の微小環境に影響を与えて発癌に寄与することが示された。以上より、肝内結石症、原発性硬化性胆管炎、膵胆管合流異常症では持続する胆道炎における胆汁脂質メディエーターの関与が胆道発がんに関与することが推察された。
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