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2014 年度 実績報告書

過栄養性脂肪肝の進行に対する栄養成分の機能性

研究課題

研究課題/領域番号 24500985
研究機関京都府立大学

研究代表者

桑波田 雅士  京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (30304512)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードゼラチン / 加水分解物 / 糖尿病 / 血糖値
研究実績の概要

最終年度に至るまでの研究期間において、ゼラチン加水分解物(gelatin hydrolysate: GH)の摂取が四塩化炭素連続投与による慢性肝障害モデルラットの肝線維化を抑制すること、ならびにストレプトゾトシン投与による糖尿病モデルラットの血糖値上昇を抑制することを見出した。
最終年度、まず活性成分を探索する目的で、GHのアミノ酸組成に準ずるアミノ酸混合物を調整し、糖尿病モデルラットの血糖値上昇に及ぼす影響をGHと比較検討した。しかしながらアミノ酸混合物の供与では、血糖値上昇抑制作用が認められなかったことから、GHの活性はペプチド成分に由来するものと考えられた。
糖尿病モデルラットに対するGHの機能性について検討を続けたところ、血糖値同様、血漿中トリグリセリド、遊離脂肪酸、総コレステロールなどの脂質マーカーの上昇もGH摂取により抑制されることを見出した。また、ストレプトゾトシン投与後、GH添加飼料で1週間飼育したラットを1晩絶食し、経口糖負荷試験を実施した。対照飼料で飼育したラットと比較して、GH摂取ラットは糖負荷90分後および120分後の血糖値が有意に低値を示した。さらに本試験中の血漿インスリン濃度を検討したところ、GH摂取ラットで高値を示した。そこで糖尿病モデルラットの膵臓に関する病理組織学的検討をおこなったところ、顕微鏡下1視野あたりのランゲルハンス島の数、面積ともにGH摂取ラットで高値を示すことを見出した。
本研究期間において、過栄養性脂肪肝の発症をGH摂取が抑制するという結果を得るまでには至らなかった。しかしながらインスリン作用の低下は、メタボリックシンドロームの発症やその肝臓の表現型である脂肪肝の発症にも大きな影響を及ぼしている。すなわちGHには、メタボリックシンドロームや脂肪肝を抑制する機能性食材としての効果が期待できると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アミノ酸・ペプチドの病態栄養管理への応用に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      桑波田雅士
    • 雑誌名

      アミノ酸研究(日本アミノ酸学会学会誌)

      巻: 8 ページ: 101~106

    • 査読あり
  • [学会発表] 非アルコール性脂肪性肝疾患および糖尿病患者における食品摂取の相違点2015

    • 著者名/発表者名
      小林ゆき子、桑波田雅士 他
    • 学会等名
      日本病態栄養学会年次学術集会
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都市)
    • 年月日
      2015-01-10 – 2015-01-11

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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