研究課題
大阪の農業と食文化を支えてきた歴史や伝統を持つ大阪独特の野菜である「なにわ伝統野菜」の1つである玉造黒門越瓜の新しい生理作用として、今年度は皮膚の創傷治癒促進効果についてin vitro実験系を用いて解析した。ヒト皮膚角化細胞およびヒト正常皮膚由来線維芽細胞を用いて、玉造黒門越瓜抽出物の創傷治癒促進効果について検討したところ、玉造黒門越瓜抽出物は、角化細胞の細胞増殖能および細胞遊走能を濃度依存的に亢進させた。さらに、皮膚線維芽細胞において、玉造黒門越瓜抽出物はコラーゲン産生能を添加濃度に依存して亢進させた。以上の結果から、玉造黒門越瓜抽出物は皮膚角化細胞および皮膚線維芽細胞に対して、創傷治癒効果を有することが示唆された。さらに、最終年度である今年度は、「なにわ伝統野菜」の普及のための地域活性化として、「なにわ伝統野菜」の優位性を再評価することによって、消費の増大をうながすとともに、その需要を満たすために生産量を確保する体制を整備することによって、研究成果の社会還元を目指すことを目的とした。すなわち、本研究での研究成果の社会還元として、大阪市東成区花と緑のまちづくり推進事業において、区民に対して講演を行なうなど、玉造黒門越瓜の普及に協力することができた。さらに、今後、新たに本研究成果をもとにして、(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所食の安全研究部食品技術グループとの連携を行なっていく予定である。
すべて 2014
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Chemico-Biological Interactions
巻: 212 ページ: 1-10
http://dx.doi.org/10.1016/j.cbi.2014.01.010