研究課題/領域番号 |
24500989
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
加太 英明 香川県立保健医療大学, 教養部, 教授 (00321266)
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研究分担者 |
山主 智子 香川県立保健医療大学, 教養部, 准教授 (40382395)
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キーワード | パーキンソン病 / 6-ヒドロキシドーパミン / L-DOPA / スクアレン / ドーパミン / 線条体 |
研究概要 |
平成24年度の研究において,内因性のパーキンソン病(PD)原因物質であると考えられている6-ヒドロキシドーパミン(5-OHDA)を脳室内に投与し,PDモデルマウスを作製した後,病状改善薬であるL-DOPAとともに,コレステロール生合成の代謝中間体であり,免疫増強効果や活性酸素種消去活性など様々な生理活性が報告されているスクアレンを投与し,病態の進行に対する効果を,黒質・線条体中のドーパミン(DA)濃度を指標に検討したところ,L-DOPAによるDA濃度の低下促進効果をスクアレンは抑制することが明らかとなった.すなわち,PDに対するL-DOPAの副作用の一部をスクアレンは抑制することが明らかとなった. 平成25年度では,その作用機序を明らかにするため,6-OHDA脳室内投与後4週間L-DOPA及びスクアレンを投与したマウスの線条体および血清中の脂質(スクアレン,コレステロール,各種脂肪酸)組成,活性酸素種処理酵素(カタラーゼ,スーパーオキシドジスムターゼ(SOD), グルタチオンペルオキシダーゼ)活性を測定した. その結果,L-DOPA投与により血清中のカタラーゼ,グルタチオンペルオキシダーゼ活性は低下するが,スクアレンはその低下を抑制しなかった.また,6-OHDAまたはL-DOPA投与により脳中コレステロール値が低下したが,スクアレンはその低下に影響しなかった. この結果は,スクアレンは,PDモデルマウスの脳中のコレステロール値に影響しないこと,線条体や血清中の活性酸素種消去酵素に対する活性促進効果はないことを示している. 今後,活性酸素種消去物質について検討をおこなう.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)を投与してパーキンソン病(PD)モデルとすると,マウスは衰弱する.このマウスにL-DOPAを投与すると衰弱は進み,さらに脳室内投与時の傷が残るマウス頚頭部をつかんでスクアレンを経口投与すると死亡率が高まり,4週間連続投与後には,各実験群の例数がきわめて少なくなった.そこで,スクアレンの経口投与と腹腔内投与とを比較した結果,血中への吸収は,経口投与よりも腹腔内投与の方が高いものの同様に吸収されることが明らかとなった.そこでスクアレンの投与も腹腔内投与にすることとした.その結果,死亡数も少なくなり,十分な例数が得られるようになった.
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今後の研究の推進方策 |
実験動物の数を増やしたため,費用が当初計画よりも増加した.そのため6-OHDAによるDA低下抑制効果,すなわちPD予防効果の認められたスクアレンの効果の検討を優先的に行い,低下抑制をおこなわないばかりか,さらに低下を促進したスクアランについては,平成25,26年度は測定する項目を減らすことにした.スクアレンに関しては,計画通りに行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年3月27-30日に参加した日本農芸化学会への旅費が,平成26年度に計上されるため.また,投与方法の再検討を行った結果,当初の計画に従った実験を行うと大幅に予算が不足することが明らかとなった.そのため先行実験で有為な結果が得られなかった物については測定項目の見直しをおこなった.その結果,予算が残ったものの,残った予算では新たな項目を測定するには不足する.そのため若干予算が残ることになった. 実験動物(マウス)およびその飼育のための飼料や床敷きのために250,000円程度,実験器具の購入のために200,000円程度,試薬の購入のために300,000円程度,成果の発表のための学会出席のための旅費として150,000円程度,論文作成・学会誌投稿のための費用として150,000円程度を使用する予定である. なお,実験動物や器具,試薬に関しては,互いに物品費として流動的に使用する.
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