研究課題/領域番号 |
24500989
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
加太 英明 香川県立保健医療大学, 教養部, 教授 (00321266)
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研究分担者 |
山主 智子 香川県立保健医療大学, 教養部, 准教授 (40382395)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 6-ヒドロキシドーパミン / L-DOPA / スクアレン / スクアラン / ドーパミン / 酸化的障害 |
研究実績の概要 |
平成24年度の研究において,スクアレン(SQE)は,6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)を投与による線条体中ドーパミン(DA)濃度の減少を抑制し,スクアラン(SQA)は,減少を増幅させること,その際SQAは酸化的障害の指標であるTBARSを増加させるが,SQEは変化させないことを明らかにした.すなわちSQEは6-OHDAによる障害に対して保護作用を,SQAは促進作用を示し,その際酸化的障害が関与している可能性を示した.次に,保護効果が明らかとなったSQEの,パーキンソン病(PD)病態改善薬であるL-DOPA投与によるDA低下促進に対する効果について検討した.その結果SQEは6-OHDAによる低下およびL-DOPAによる低下促進を抑制した.平成25年度の研究においては,SQEの保護効果は,活性酸素種処理酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx),カタラーゼ,SOD)活性やコレステロール濃度の変化を介したものではないことを示した. 平成26年度の研究においては,SQEのもつ神経保護作用は内在性の抗酸化物質の変動によるもであるかどうかを検討するため,血清および線条体中の抗酸化物質である酸化型および還元型のグルタチオンとL-アスコルビン酸濃度を測定した.その結果,6-OHDA,L-DOPA,SQEいずれもそれらの濃度に影響は与えなかった. 以上の結果は,SQEはPDに対して予防効果ばかりでなく病態進行抑制効果も期待でき,その機序には酸化的障害に対する保護効果が関係すると考えられるが,今回測定した活性酸素種処理機構(GPx活性,カタラーゼ活性,SOD活性,グルタチオン濃度,L-アスコルビン酸濃度)を介したものではないと考えられる.今後その保護効果の作用機序についてさらなる研究科が必要である.現在,これまでの結果を研究論文としてまとめ,投稿中である.
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