放射性セシウムの経口投与による低線量放射線の長期被曝が大腸腫瘍発生に及ぼす影響、及び抗酸化物質スルフォラファンが放射線の大腸発がん促進作用に及ぼす影響について、アゾキシメタン(AOM)によるマウス大腸化学発がんモデルマウスを用いて検討した。その結果、放射性セシウム(1,000Bq/kg)の16~24週間投与は大腸腫瘍の形成を促進する傾向を示した。以上より、低線量の放射線被曝は、他の発がんリスクを有する状態において、大腸腫瘍形成のプロモーターとして作用することが示唆された。スルフォラファンの投与効果については現在検討中であるが、放射線による大腸発がんの促進作用を抑制することが期待される。
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