研究課題/領域番号 |
24501003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知学泉大学 |
研究代表者 |
竹村 ひとみ 愛知学泉大学, 家政学部, 講師 (60295558)
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研究分担者 |
下位 香代子 静岡県立大学, 付置研究所, 教授 (10162728)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 食品因子 / ホルモン依存性がん / がん予防 / エストロゲン代謝 / メトキシフラボノイド / DNA損傷 |
研究概要 |
女性ホルモンであるエストロゲンの長期曝露は、乳がんをはじめとするホルモン依存性疾患のリスク要因の1つと言われている。乳がんの発生機序として、解毒代謝酵素チトクロームP450 (CYP)1を介したエストロゲン(E2)の代謝活性化によるカテコールエストロゲン(CE)およびそのキノン体(CE-Q)生成に伴うDNA付加体形成および酸化的DNA損傷が一因と考えられている。これまでに我々は、天然物由来のフラボノイド化合物にCYP1活性阻害作用を有することを報告した。そこで本研究では、単細胞ゲル電気泳動(Comet assay)を用いたDNA鎖切断を指標とし、ヒト乳がん細胞によるエストロゲンのDNA損傷性並びにメトキシフラボノイドの効果について検討した。 ヒト乳がん細胞MCF-7にE2を添加して一定時間インキュベートした後、細胞を回収した。一方メトキシフラボノイドにて15分前処理を行った後、同様の処理を行い細胞を回収した。回収した細胞をスライドグラスの上でアガロースの薄層に封入し、溶解液に60分間、次いでアルカリ性溶液に20分間浸漬しDNAの一本鎖化処理を行った後、アルカリ性条件下(pH>13)で電気泳動(25V 300mA 30分間)し、中和・脱水・染色を行った。蛍光顕微鏡にて細胞を観察し、画像解析ソフト(Comet Analyzer)により核外へのDNA断片の流出割合を指標にDNA損傷の程度を評価した。 E2単独処理は、無処理と比較しDNA損傷(Tail Distance、Tail Moment)の増加を認めたが、メトキシフラボノイド単独処理ではDNA損傷の増加は認められなかった。メトキシフラボノイドおよびE2の複合処理により、DNA損傷は大幅に低下した。エストロゲンによるDNA損傷に対し、メトキシフラボノイドが予防的に働く可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度より所属機関が変わり、業務内容、研究環境の変化から、当該年度に実施を予定していた研究計画が当初の予定より遂行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
所属機関における研究環境を早急に整備し、研究計画を遂行する。また、共同研究機関と綿密に調整を行い、共同研究者の協力を得ながら推進していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
1. in vitroおよびヒト乳がん細胞におけるCYP1B1選択的阻害活性を有する新たな天然物由来のメトキシ化合物の探索 メトキシ基を有するポリフェノール化合物について、ヒトrecombinant CYP1A1/1B1マイクロゾームおよびエトキシレゾルフィンを用い、酵素阻害作用を検討(ERODアッセイ)し、CYP1B1特異的に阻害活性を有する化合物を検索する。得られた阻害活性を基に構造活性相関解析を行う。 2. エストロゲン処理したヒト乳がん細胞DNA損傷に対するメトキシ化合物の影響 ヒト乳がん細胞MCF-7に、E2または4-OHE2を曝露し、細胞を回収する。一方、メトキシ化合物で前処理を行った細胞に、上記と同条件でエストロゲン曝露を行い、細胞を回収する。回収した細胞を用いてアルカリ性Comet assay、AP site、8-oxo-dGを指標にDNA損傷性について検討する。 3. エストロゲン処理した乳がん細胞におけるDNA損傷、解毒代謝酵素発現、エストロゲン代謝物に対するメトキシ化合物の影響 MCF-7細胞培養液に、E2およびメトキシ化合物を添加し数日間培養後、細胞および培養液を回収する。また、同細胞よりRNA、タンパクを抽出し、エストロゲン解毒代謝酵素であるCYP1A1/ 1B1、catechol-O-methyltransferase(COMT)、UDPglucuronosyltransferase(UGT)、sulfotransferase(SULT)およびキノン還元酵素NAD(P)H quinine oxidoreductase 1(NQO1)の発現について定量的real time PCR法およびウェスタンブロッティング法を用いて検討する。
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