研究課題/領域番号 |
24501003
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研究機関 | 愛知学泉大学 |
研究代表者 |
竹村 ひとみ 愛知学泉大学, 家政学部, 講師 (60295558)
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研究分担者 |
下位 香代子 静岡県立大学, 付置研究所, 教授 (10162728)
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キーワード | ホルモン依存性がん / エストロゲン代謝 / カテコールエストロゲン / DNA損傷 / フラボノイド |
研究概要 |
女性ホルモンであるエストロゲンは、乳がんをはじめとするホルモン依存性疾患のリスク因子であるとされている。近年、ホルモン依存性疾患が増加している背景に、食生活などのライフスタイルの変化に伴う内因性エストロゲンへの長期曝露が影響していると考えられている。エストロゲンによるがん発生の機序として、解毒代謝酵素CYP1によりカテコールエストロゲンに代謝された後に生じたキノン体および活性酸素がDNAに損傷を引き起こすことが明らかとなっている。我々は、植物性食品成分であるメトキシフラボノイドにCYP1酵素に対する選択的な活性阻害作用を見出した。そこで、乳がん細胞におけるメトキシフラボノイドのDNA損傷予防作用について検討を行った。 ヒト乳がん細胞MCF-7にエストロゲンおよびメトキシフラボノイドを添加し、一定時間曝露した後、細胞を回収した。個々の細胞のDNA損傷を直接検出することが可能な単細胞ゲル電気泳動法(コメットアッセイ)を用いて、各処理群の細胞のDNA損傷について検討を行った。17beta-estradiol(E2)、4-OHE2で処理した細胞では、無処理の細胞と比較しDNAの損傷が増加した。一方、メトキシフラボノイドのクリソエリオールを複合処理した細胞では、DNA損傷が抑制された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究を実施するための実験施設・設備が多岐にわたり、充分な整備が出来ておらず、研究の大半を共同研究機関と連携して実施している現状である。 所属機関にて当該年度に担当したプロジェクトに非常に多くの時間を費やし、本研究を実施することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
共同研究先との連携を強化し、本研究課題の実験を優先的に遂行する。また、所属機関および近隣研究機関で実施可能な研究計画に一部変更することも検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
所属機関にて実験設備を整備するのが非常に困難であり、共同研究先にて実験を行っている状況である。実験試薬をはじめとする消耗品等は共同研究機関と共同利用したこと、当該年度に実施する予定であった実験が充分に遂行出来なかったことが挙げられる。 共同研究先との連携を強化し、計画的に実験を実施し、助成金の適正な使用に努める。また、所属機関にて実施可能な研究に一部変更することも検討していく。
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