研究課題/領域番号 |
24501004
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
小西 香苗 昭和女子大学, 生活科学部, 准教授 (70238103)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食事パターン / 心の健康 / うつ症状 / 食物摂取頻度調査 / 栄養疫学 / 因子分析 / 共分散構造分析 / 妊婦 |
研究実績の概要 |
本研究は日本における栄養疫学研究デザインによる、次世代を担う女性におけるうつ症状と栄養素・食品の摂取状況との関連を明らかにすることを目的としている。平成24年度(初年度)は調査票の作成、選定を行った結果、(1)基本情報および食習慣・生活習慣状況調査、(2)健康関連QOL尺度調査(SF-36)、(3)抑うつ尺度調査(CES-D)、(4)簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)の4つの構成にて調査票を作成した。対象集団は20-49歳の成人女性として、①学校給食関係職員、②看護師、③保育園職員の3つの女性職場を対象集団として選定し、調査票の配布を行った。最終的に平成25年6月末までに2,141名に調査票を配布し、1,346名の調査協力を得た(有効回答率64.5%)。また、平成25年度秋までに研究協力者へ、BDHQ調査票の栄養・食物摂取状況「個人結果票」の返却を行い、研究協力者へ有益な情報の返還も終了した。平成25年度後半から26年度は下記の解析1~3を終了したが、予定していた解析4が未終了の状況である。 解析1.BDHQ調査票の食品摂取量データを用いた因子分析による食事パターン分析(主因子法・バリマックス回転)、解析2.精神的要因(SF-36下位尺度得点・CES-D得点)と食事パターンとの関連(多変量解析)、解析3.精神的要因(SF-36下位尺度得点・CES-D得点)と栄養素及び食品摂取量との関連(多変量解析)、解析4.精神的要因(SF-36下位尺度得点・CES-D得点)へ与える各種要因(生活習慣・食習慣)との関連(共分散構造分析・パス解析)。 平成27年度は解析4を進めると共にこれまでの研究成果報告を行う予定である。また、本来の調査予定対象者であった妊婦を対象として追加調査を行う予定である。本追加調査は、既に終了した20-49歳女性を対象とした調査の結果をさらに強化するために行うものである。追加調査を行うことにより、当初の研究目的により近づける予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度は調査票の選定・作成、調査票の配布・回収などがやや遅れていたが、平成25年度6月には調査票の配布・回収が完了できた。最終的に、妊娠可能年齢の女性1,346名の有効回答を得たことは、研究目的達成の観点から、おおむね研究が順調に進行したものと考えている。また、その後の平成25年度後半はデータクリーニング、データ解析に持ち込むことができており、データ解析の状況もやや遅れてはいたが概ね順調であった。しかし、平成26年度4月に主任研究者が職場を異動したことに伴い、研究環境が大きく変わり予定していた解析に遅れが生じてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は前年度予定していた次の解析4を行う予定である。解析4.精神的要因(SF-36下位尺度得点・CES-D得点)へ与える各種要因(生活習慣・食習慣)との関連(共分散構造分析・パス解析)について。また、研究環境が首都圏に移り、研究を申請した当初の研究計画の対象者(妊婦)を対象とした調査の可能性が出てきたことから、既に終了した本調査の脆弱性を補強するための追加調査を行う予定である。また、これまで行った次の解析1~3の成果報告を行う予定である。解析1.BDHQ調査票の食品摂取量データを用いた因子分析による食事パターン分析(主因子法・バリマックス回転)、解析2.精神的要因(SF-36下位尺度得点・CES-D得点)と食事パターンとの関連(多変量解析)、解析3.精神的要因(SF-36下位尺度得点・CES-D得点)と栄養素及び食品摂取量との関連(多変量解析)について。成果報告は、次の学会にて発表を行う予定である。①第12回アジア栄養学会議(ACN)(2015年5月:横浜)、②日本栄養改善学会(2015年9月:福岡)。既に演題登録を行い、発表準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度4月に職場を異動したことにより研究環境が大きく変化した。これに伴い、購入を予定していた統計解析ソフト(35万)が現所属機関では無料にて使用が可能となり、購入の必要がなくなったことやパソコン購入(10万)も必要がなくなったこと等により未使用額が発生した。また、予定していた解析などが遅れているため成果報告のために予定していた予算(10万)も未使用である。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度はこれまでの成果報告のための費用として、論文作成のための英文校閲費(5万)、学会発表のための費用(5万)等の支出が予定される。また、追加調査の費用として、謝礼品(20万)、調査票購入費(3.5万)、データ入力料(10万)、記録媒体・文房具など消耗品費(13万)、郵送費(5.5万)等を予定している。
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