研究概要 |
本課題研究期間の初年度である平成24年度には、平成21-23年度基盤研究(C)2150799(研究代表者:丸山智美)の研究成果であり本課題の基礎となる更年期症状と栄養素摂取量との関係をThe 3rd International Congress on Abdominal Obesity (Québec, Canada)で公表した。平成24年度前半期には地域在住の更年期世代である女性を対象に調査を実施し、更年期世代女性の体重変動と健康との相関を明らかにするために、地域住民116人を対象とし、20歳から現在の体重変動と食生活内容および疾病の有無の関連を、20歳からの体重「減少群」と「増加群」に分類し検討した。20歳からの体重「減少群」は「増加群」と比較して骨折経験が高く、便通が毎日ある者の割合が有意に低かった(金城学院大学論集自然科学編9-2,1-9,2013)。後半期には平成24年度の研究実施計画にある更年期障害に罹患している更年期世代女性の栄養素摂取量と内分泌等生化学検査の対象者選定に着手した。また併せて本研究課題である生活習慣病との関連として歯周病に焦点をあて患者調査を行った。歯周病の診断はひとりの歯周病専門歯科医師がおこない、歯周病重篤度の評価基準は4mmのプロービングデプスの割合(4PD%)、現在歯数と歯周病ポケットとした。研究デザインは横断研究で、18から69歳の女性歯周病患者82人を対象とし検討した。たんぱく質摂取量が進行群では軽度群より有意に低かったことから、日本人女性歯周病患者では栄養素摂取量と歯周病進行度とに関係があることを見出した(International Congress of Nutrition 2013, Granada, Spainにおいて発表予定)。
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