研究課題/領域番号 |
24501006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
塚本 義則 中部大学, 応用生物学部, 教授 (60592079)
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研究分担者 |
大西 素子 中部大学, 応用生物学部, 教授 (00312653)
堤内 要 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (50329851)
石田 康行 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (70273266)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 味覚修飾 / 微生物生産 |
研究概要 |
(A)酸味受容修飾アッセイ系の確立に関して、5つの酸味受容体候補〔ACICs(h1a,h1b, h2a,h3),PKD1L3,PKD2L1〕の内、4種類ACICs(h1a,h1b, h2a,h3)の遺伝子の大腸菌へのトランスフォーミングを完了し、現在このトランスフォーマーを用いて各々の酸味受容体遺伝子のプラスミドDNAの増幅→制限酵素による開環→m-RNAの作製とそのアフリカツメガエルの卵細胞へのインジェクションと各々のタンパク質の単独発現および共発現を試みている段階である。 (B)酸味受容修飾物質候補の調製に関して、酸味受容修飾機能を有する物質の機能仮説として、酸味受容体タンパク質を高分子で被覆させてプロトンの通貨を阻止する機能と酸味受容体タンパク質に静電気結合的、イオン結合的おるいは疎水結合力に作用して受容体タンパク質の三次元構造を変化させる機能の二つの切り口から、(1)ペプチド系試料、(2)糖質系試料(多糖、オリゴ糖)、(3)脂質系試料(界面活性物質など)、(4)カテキン類試料および(5)これら4種類の物質の複合系試料の内の、(2)および(3)の試料について、それぞれ果実類から約170種類の多糖およびオリゴ糖の産生能のある微生物、モノテルペン系の飽和炭化水素(p-メンタン)を唯一の炭素源とした培養系でp-メンタンを乳化する作用を有する20種類の微生物の分離を行い、その培養物の調製を完了した段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
1.研究推進上でのテクニカルな課題に関して、当初予想していた以上にASICS(h1a,h1b, h2a,h3)の大腸菌トランスフォーマットの作製が不安定で酸味受容体候補遺伝子のプラスミドDNAの増幅が順調に進んでおらず、現在その安定化に向けての原因解明やテクニカルな課題を鋭意精力的にトラブルシューティングを試みているが、予想外に手間取っているために(A)酸味受容修飾アッセイ系の確立が大幅に遅れをきたしている。 2.研究推進人員体制的な課題に関して、当初研究代表者以外に卒業研究生を2名予定していたが、諸般の事情で1名しか投入できなくなったことから、物理的にも研究課題項目の推進が当初の研究計画と比べると大幅に遅れる要因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究推進人員体制の面から、H24年度の研究代表者と卒業研究生1名系2名による研究推進体制から、H25年度は大学院修士課程修了の研究生を1名増員する研究推進体制に体制を増強することで、研究推進スピードの加速化を図っていきます。 2.酸味受容修飾活性アッセイ系の確立については、酸味受容体候補遺伝子のアフリカツメガエルの卵細胞での発現系の研究分担者である中部大学の大西教授の研究支援と名古屋市立大学大学院医学研究科の鵜川教授の酸味受容体のイオンチャネルにカンナする知見や技術指導を強力に受けて研究推進力を向上させていきます。
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次年度の研究費の使用計画 |
H24年度の当初計画と比べて、(A)酸味受容修飾活性アッセイ系の確立の研究計画が、酸味受容体候補遺伝子のASICsファミリーの4遺伝子(h1a,h1b,h2a,h3)の大腸菌トランスフォーマットの作製およびアフリカツメガエルの卵細胞へのそれぞれのm-RNAのインジェクションとそれぞれのタンパク質の単独発現および共発現の確立の段階で予想以上に苦戦しているため、H24年度に次の段階で使用予定の物品費や残りの2つの酸味受容体候補遺伝子購入のための物品費55万円が未使用に終わっていますが、H25年度の研究計画の中でこれらの前年度の繰り越し研究課題も併せて強力に研究推進していける体制を整備いたしますので、H24年度の繰り越し分の研究費も含めて甲府申請書に計画した通りの研究費の使用計画を予定しております。
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