研究課題
本課題は,食事記録調査の精度向上と調査者のスキルアップに資するために、食事記録調査の信頼性に影響する諸因子の関連を定型化してモデル設計をする。愛知にセンターを置き,対象12地区(山形市,山形鶴岡,千葉,静岡桜ヶ丘,浜松,名古屋,岡崎,滋賀高島,京都,佐賀,徳島,鹿児島奄美)で実施した地域住民に対する食事調査のプロセスを評価した.なお,この食事調査は,大規模コーホート研究(J-MICC:日本多施設共同コーホート)の食物摂取頻度質問票の妥当性・再現性の研究として,四季節隔日3日間を対象に,写真付き秤量記録法で実施した.その結果、Webツールは論点が文章として明確になり保存されるので,遠隔地であっても効率が良かった。さらに,e-learning管理システムを用いた試験を地区スタッフに課すことで、栄養計算ルールの学習や重量推定技能が担保できた。画像共有Webアプリを活用した結果、多施設で同時に写真を閲覧しながら討議できた。コード化困難事例は構造化webフォームを設けることにより、情報共有化が可能になった.困難事例が多かった食品群は,菓子等嗜好品、パン等小麦粉製品,野菜・果物の加工品,調味料などで、熱量、脂肪、Naへの影響が懸念要因だった.データクリーニングの手順は、a)入力値が通常の食品重量の範囲を逸脱した、b)料理の塩分濃度が3%超,または0.3%未満、c)揚げ物なのに油脂食品が無い、d)料理名称が入力漏れなど、10項目以上の条件を策定し、データベースソフトを用いて過誤の可能性があるデータを抽出することで効率化した。以上,Webツールを用いることで,標準化ルールを基礎にした食事記録調査を実施できた.しかし,食事のコード化作業は,その地区の食文化を理解する必要があったので,担当者の現地訪問も効果的であった.調査者のスキルアップに資するツールは順次,公開する予定である。
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