研究課題
緑茶は世界で広く飲用されており、その主成分は (-)-epigallocatechin gallate (EGCG)であり、抗酸化作用を有することが報告されている。今回、ラット脳外傷モデルを用いてEGCG飲料による脳外傷後の神経保護作用と脳機能の改善効果を組織学的、生化学的及び行動学的手法を用いて調べた。Wistar rats に0.1%ECGC(ECGC群)またはwater(water群)を与えて飼育し、10週齢で脳外傷を受傷させた。脳外傷後にwater飲料群においてECGC飲料群に比較しssDNA, 8-OHdG, 4-HNE陽性細胞及び過酸化脂質量の有意な増加認めた。さらに外傷後EGCG飲料群でwater飲料群に比較しnesutin 陽性細胞数で有意な増加を認めた。さらにnestin陽性細胞を単離培養し神経幹細胞であることを明らかにした。その神経幹細胞は神経細胞、アストロサイト、オリゴデンドロサイトに分化した。EGCG飲料群でwater飲料群に比較し新生神経細胞の有意な増加を認めた。外傷後の脳機能評価においてEGCG飲料群ではwater飲料群に比較し、有意な改善効果が認められた。脳外傷後に起こる脳機能不全をEGCG飲料群は有意な改善効果をしめした。緑茶飲料は脳外傷の治療に非常に有効であることが示された。
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