研究課題/領域番号 |
24501028
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
津崎 こころ 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (80450881)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長(予防医学) (40335443)
小谷 和彦 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60335510)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 時間栄養学 / 脂質代謝 / 生活習慣病 / 食事指導 |
研究実績の概要 |
医療従事者や工場などの交代勤務者では心血管発症リスクが高いことが報告されており,不規則な生活リズムや生活習慣が原因のひとつとして考えられている.さらに,交代制勤務によって肥満やメタボリックシンドロームのリスクが高くなることも報告されている. J-DOIT1データベース(2,840名)より,男性交代勤務147名(自立群73名,支援群74名)と年齢・BMI・支援別でマッチングさせた男性日勤勤務147名(自立群73名,支援群74名)における電話支援等の介入による減量等への効果に及ぼす勤務体制の違いについて解析を行った.介入内容は,自立群と支援群に体重計と活動量計が貸与され,さらに支援群では予防支援センターより1年間の電話支援が提供された.介入1年後の脱落率は4.4%であり,介入1年後,自立群では勤務体制による体重等の差は認められなかった.日勤勤務と比べ交代勤務では,電話支援による体重減少量が有意に小さかった(-3.1±3.8 vs. -1.9±3.2kg; p<0.05).空腹時血糖,中性脂肪,ならびにHDL-Cについて勤務体制で差は認められなかった.介入1年後の体重差の支援別差および勤務体制別差について2要因分散分析の結果,有意な交互作用は認められらず,支援別にのみ有意な主効果が認められた(支援別;p<0.001,勤務体制別;p=0.078,支援別×勤務体制別;p=0.278)(限界点:統計学的パワーの不足).以上の成績より,電話支援による減量効果は交代勤務で少なかった.交代勤務に対してさらなる効果的なアプローチ法が必要であると考えられた. 健常者ならびに脂質異常症など生活習慣病を有する者に対して「就寝前に携帯やテレビを見ているか」という質問へは,いずれも9割以上が「はい」と回答した.特にブルーライト(青色LED)は中枢の時計を活性化することから,食事を摂る時間帯のみならず1日のサイクルで最も時間を削られやすい睡眠や社会環境についても今後検討するべき項目と考えられた。
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