研究課題/領域番号 |
24501029
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長(予防医学) (40335443)
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研究分担者 |
津崎 こころ 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (80450881)
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キーワード | 糖尿病 / 妊娠 / 周産期 / 予防 / 喫煙 |
研究概要 |
わが国では晩婚・晩産化に伴い,妊娠糖尿病を持つ人の割合が増加している。2010年に妊娠糖尿病の診断基準が改訂され、わが国における妊娠糖尿病の頻度は今後50%程増加することが推測される。妊娠糖尿病は母体や周産期合併症(巨大児、先天奇形など)のみならず、将来の母と児の糖尿病発症の温床となることが知られている。一方、今まで妊婦に対する食事調査は行われているが、妊娠糖尿病予防を目的とした調査研究や介入研究はわが国ではほとんど行われていない。そこで本研究では妊産婦のデータベースを作成し、「妊娠糖尿病予防のための構造化された簡易な食事支援プログラム」を開発し、その有用性(効果と安全性)を検証することが目的としている。本年度は昨年度に引き続き、糖尿病合併妊娠、妊娠糖尿病を含めた妊産婦のデータベースの作成を行った(約1000名)。イギリスのデービッド・バーカーによる成人病胎児期発症説や「オランダ冬の飢餓事件」などから、 低出生体重児が将来の糖尿病をはじめとする生活習慣病や心血管疾患のリスクとなること考えられる。我々のデータベースの解析結果からも低出生体重児の予測因子として、喫煙と独立して、非妊娠時のBMI低値と妊娠中の体重増加量が少ないことが関連していたことが明らかとなった。最近、母親の年齢とDNAのメチル化、出生時にある特定の遺伝子のメチル化を多く持つ児は小児肥満リスクが高い、妊娠初期に炭水化物をしっかりとらなかった母親から生まれた児のDNAメチル化が促進などの報告がされている。そこで、我々は刷り込み遺伝子IGF2など8つの遺伝子のメチル化の測定系を確立し、国際会議で報告した。また、医療従事者に対してワークショップを開催し、妊娠糖尿病に対する介入プログラムや妊娠糖尿病検定を作成した。また食事バランスガイドと体重測定を用いた簡易な食事プログラムの開発を行い、介入研究に向けての準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予想された人数よりも多くの人数のデータベースの作成ができた。 介入に向けての準備を行えたから。さらに、臍帯におけるエピゲノムを測定できる系の確立ができたから。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は引き続き、妊婦のデータベース化を行うと共に、妊娠糖尿病予防のための食事指導支援プログラムの効果検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の介入研究に関する費用、学会報告や論文を作成するため。 データ入力に関わる人件費、介入研究開発、成果発表に関わる旅費等に使用する。
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