研究課題/領域番号 |
24501031
|
研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
河合 高生 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 主任研究員 (30250319)
|
研究分担者 |
原田 哲也 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 主任研究員 (70516723)
陳内 理生 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (70622752)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | クドア / 粘液胞子虫 / 食中毒 / イムノクロマト |
研究実績の概要 |
ヒラメ筋肉寄生性のKudoa属粘液胞子虫、Kudoa septempunctata(以下、クドア)による食中毒が近年増加している。この新規寄生虫性食中毒はヒラメの生食に起因するため、発生防止にはクドア寄生ヒラメの流通阻止が最も有効である。そこで、クドアの寄生の有無を簡易・迅速に判定できる現場即応型のイムノクロマトグラフィー(以下、イムノクロマト)法の構築を試みた。 クドア胞子をマウスに免疫して得られた36個のハイブリドーマから、ELISA法により抗クドア抗体産生ハイブリドーマを7個選別し、抗クドアモノクローナル抗体を精製した。クドアを含む7種のKudoa属粘液胞子虫胞子を抗原としたELISA法により抗体の特異性を調べ、胞子を抗原とするサンドイッチELISA法によってイムノクロマトに適した抗体を複数選別した。 選別した抗体の金コロイド標識あるいはニトロセルロースメンブレンへの固相化を行い、自作のイムノクロマトでクドア胞子の検出が可能かどうかを検討した。最も反応のよかったモノクローナル抗体を用いて、キット作製会社の協力の下、イムノクロマトの試作キットを作製した。7種のKudoa属粘液胞子虫のうち、ヒラメ筋肉寄生性粘液胞子虫に弱い交差反応を認めたものの、筋肉1gあたり104個以上のクドア胞子が寄生したヒラメをキットで判別することが可能であった。 当該モノクローナル抗体を用いたアフィニィー精製を行い、この抗体が認識するクドア胞子抗原タンパクを精製した。De novo配列解析により決定した精製タンパクの部分アミノ酸配列情報をもとに、3’RACE法ならびに5’RACE法を行い、精製タンパクをコードするcDNAの塩基配列を決定した。塩基配列のBLAST解析の結果、作出したモノクローナル抗体が認識するタンパクは、新規のタンパクであることが明らかとなった。
|