研究課題/領域番号 |
24501039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10272296)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 理科授業 / 指導方法 / データベース / 教員養成 / コア知識 |
研究概要 |
本研究は,伝統的に培われてきた日本の理科授業の優れた点を若手教員に継承するため,若手教員の苦手意識が強い小学校・中学校第一分野のすべての単元について,指導上のポイントや留意点,教材等のティーチングマテリアル情報をデータベース化し,大学4年生対象「教職実践演習」での授業づくり・模擬授業で試用しながら改善し,教員養成や若手理科教員の研修に用いたり,実際の小・中学校の理科づくりで使用したりして,どの程度指導のポイントや留意点を押さえた授業となるのかを実証的に検討することを目的としている。 平成24年度は,教師用指導書・民間の理科教育研究会の報告書等から各単元の指導上のポイントや留意点に関する知見を収集した。収集したすべての知見を網羅しようとすると,レベルや観点にばらつきが出て統一感が無くなるので,各単元で最も重要なコア知識獲得の支援に貢献するという観点から統合して,小・中学校理科の全単元を網羅する暫定版のデータベースを作成した。 現在,暫定版のデータベースについて,4名の千葉大学教育学部附属小学校教諭と4名の千葉県公立中学校教諭らと検討を重ねて改善している。検討過程で一部の成果を 山下修一編著(2013)『理科の授業研究』北樹出版 にまとめることができた。 また,シンガポール国立教育研究所Dr. Yeoとも日本の理科授業を検討する機会を得て,PISAやTIMSSで高得点をあげているシンガポールの理科授業と比較しながら,各単元の指導上のポイントや留意点に関する知見を更新している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は,小学校・中学校第一分野の全ての単元について,指導上のポイントや留意点,教材等のティーチングマテリアル情報をデータベース化しようと計画したが,合わせて第二分野の知見も収集できている。 また,現職教員らとの知見の検討過程で一部の成果を 山下修一編著(2013)『理科の授業研究』北樹出版 にまとめて出版することができた。 そして,シンガポール国立教育研究所Dr. Yeoとも日本の理科授業を検討する機会を得て,シンガポールの知見も参考にしながらを指導上のポイントや留意点,教材等の知見を更新できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度には,計画通り申請者が担当している大学4年生対象「教職実践演習」での授業づくりや模擬授業で(教職実践演習は平成25年度からスタートするので,思い通りのカリキュラムで遂行できない場合には,附属学校の授業づくりで試行する),暫定版データベースを試用しながら改善を施し,正式版データベースを完成させる予定である。 ただし,構築したデータベースのWeb上の公開については,セキュリティ上の問題から断念することになるかもしれない。その場合には,DVDや書籍等にして成果を共有する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定通りデータベースの知見を生かしたモデル授業を撮影するためにデジタルビデオカメラ・編集機・デジタルカメラ等を購入予定である。 合わせて,Dr. Yeoとの検討も継続して日本とシンガポールの理科授業の差異を明らかにする予定である。
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