2年生時においては,自己と算数との関係の子どもの捉えは,緩やかであるものの確実なものとして,形成されていた。小学3年生時においては,自己と算数との関係を子どもはさらに明確に意識し,何人かは自己の将来の目標と算数学習の意義を述べていた。小学4年生時においては,算数に関するアイデンティティの形成に対しての家庭での影響は,2,3年生時における程には強くはなく,算数学習について,自己に対する意識がより強い要素となり,アイデンティティの形成に影響を及ぼしていた。学年があがるに従って,算数に関するアイデンティティは数学的知識の形成により強い影響を及ぼすことも明らかとなった。
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