研究概要 |
着色剤として、塩化銅・2水和物や硝酸ニッケル・6水和物などの市販の塩や、申請者らが開発したソルヴァトクロミズムを示す混合キレート錯体、[Ni(acac)(tetmen)]B(C6H5)4 (acac=アセチルアセトン,tetmen=N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン)や同型のCu(II)錯体(例えば、Polyhedron,17,3247-3253(1998).)について検討した。CoCl2・6H2Oが利用できない60℃以上の高温部でも有効となる。 赤色のNi(II)錯体や赤紫色のCu(II)錯体はエタノールなどに溶解して、それぞれ黄緑色や緑青色の溶液になることを確認している。そこで、変色剤として融点が60~100℃の範囲にある固体アルコール、脂肪酸やアミド類を用いた。 固体アルコールとの系では、融点での変色は起こらず、目的のソルヴァトクロミズムは認められなかった。一方、ラウリン酸との系では、配位子置換によると思われる不可逆的な変色が認められたが、色変化が明瞭でなく、サーモクロミック材料としては不適当であると判断した。
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