研究課題/領域番号 |
24501058
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
平田 浩一 愛媛大学, 教育学部, 教授 (80173235)
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研究分担者 |
吉村 直道 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (90452698)
河村 泰之 愛媛大学, 教育学部, 講師 (80369967)
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キーワード | 和算 / 算額 / 教材開発 / アプリケーション / 展示会 |
研究概要 |
平成24年度に愛媛大学ミュージアムにて開催した算額展では、伊佐爾波神社の算額について、その現代解の詳細な資料を作成して展示を行った。平成25年度においては、伊佐爾波神社以外の愛媛県内の算額5面(吉藤三島神社、三津厳島神社、伊予稲荷神社、内子八幡神社、田中の観音)についてその現代解の資料の作成を行なった。 研究論文としては、伊佐爾波神社の算額の中から3人(花山金次郎・吉田茂兵衛・関家喜多次)の算額を取り上げて、当時の愛媛の和算家がどのような問題を研究していたか、その問題の難しさについて現代数学の視点から考察した論文「伊佐爾波神社の算額にみる江戸末期の和算」を発表した。また、研究発表としては「多角形から折る凸多面体」と題した講演を電子情報通信学会のワークショップにおいて行なった。 愛媛の和算・算額を紹介する活動としては、雑誌記事として「愛媛に現存する算額の問題の現代数学的研究、算額にみる江戸末期の愛媛和算家の数学力」を月刊愛媛ジャーナルに掲載した。また、講演活動として「愛媛の和算と算額」と題する講演を日本数学会の市民講演会にて行なった。また同内容で松山東ロータリークラブ例会においても講演を行った。 研究目的に掲げた研究活動の1つである和算学習の数学的活動を支援する教材アプリケーションの設計・開発に関しては、「EasyGuide」というiPad用の教材提示アプリの開発を行なった。このアプリは、教材の提示以外にも美術館や商店などの施設・商店案内システムとしての利用も可能なものである。このアプリの中で表示できる教材として「伊佐爾波神社の算額とその現代解」教材を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究業績の概要で述べたように、愛媛の算額に関する研究の蓄積が進み、研究論文・研究発表も行うことができた。研究目的に掲げた教材アプリとマルチメディア教材についても研究成果があがっている。講演や雑誌記事などによる愛媛の和算と算額を紹介する活動も順調に展開できている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降も研究1「中学生・高校生の教育課程にフィットする和算教材の開発」と研究2「和算学習の数学的活動を支援する教材アプリケーションの設計・開発」については、平成24・25年度と同様な計画で研究を進めていく予定である。作成した教材は愛媛和算研究会に所属する中学校と高等学校の先生方を通じて実際の授業の中で利用していただき、現場からの声をもとに教材の改善を進めてゆく。 研究3「動画等によるマルチメディア和算教材の製作と中高生向け教材展示会の開催」については、昨年度制作した愛媛の算額の実物大カラーパネルを活用し、算額パネル展をさらに充実させ、本研究で開発する教材を積極的に活用した和算・算額教材展示会として、近隣の中学校・高等学校においても展示会を企画し、一般市民を含めて和算や算額についての啓蒙活動を行う。また、中高生対象の公開講座や出張授業、和算問題チャレンジコンクールなど、様々な機会を利用し教材の普及を図る予定である。 本研究の最終年度にあたる平成28年8月には、愛媛において全国和算研究大会が開催される予定で、その際に愛媛の和算と算額そして和算アプリ・和算教材を、全国から多数集まる和算の研究者に紹介できるよう今後もしっかりと研究を押し進めていく所存である。
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次年度の研究費の使用計画 |
謝金やその他に計上していた予算が消化できなかったため。 平成25年度の研究費から次年度使用額として約7万円が繰越しされることになった。平成26年度研究費70万円と合算して約77万円を研究費として使用する。2名の分担者にはそれぞれ10万円ずつ配分する。使用計画としては、パソコンやタブレット等を購入する設備備品費として34万円、国内の調査旅費として26万円、謝金とその他としてそれぞれ5万円ずつ使用する計画である。
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